ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2011年11月21日
 Set the Dial

 ああ、獣の数字は皆に勇気を分けてくれる素敵な掛け声なんだぞ。フラストレイトして死にたくなるぐらいだったら、悪魔のような自分を全力で出してやるべきなのだ。何をしても駄目ってことは、結局、何でもありってことだからね。さあ、こい。きた。米ジョージア州サバンナ出身のトリオ、BLACK TUSKのサード・アルバム『SET THE DIAL』であるが、無論、その、汗はかいてもベソをかきそうにない握り拳のヘヴィ・ロックは相変わらず。いや、もしかすれば2010年の前作『TASTE THE SIN』以上に荒ぶり、押しの強さにフックを噛ませたサウンドは、野性ならではの魅力を満載にしていて、轟々燃える。確かにMASTODONやBARONESS、KYLESAなどに近しいタイプといえるけれども、大作主義やプログレッシヴな展開、サイケデリックのアプローチをほとんどかえりみることのない直情こそが、ずばり、BLACK TUSKの妙だ。ざっくばらんなほどに噴きこぼれるエネルギーが生々しい。冒頭、インストゥルメンタルの「BREWING THE STORM」で、ぶいぶい弾みをつける低音は、不確かで曖昧なものはこれから先全部蹴散らしてやらあ、という狼煙であろう。そして2曲目の「BRING ME DARKNESS」で、一切の躊躇いもなく引き上げられた振り子が、粉砕の軌道を描きはじめる。最高なのはそこで即座に畳み掛けてくる〈six, six, six〉の叫びである。ジャストのタイミングでそれが〈sick〉のワン・フレーズに切り替わる瞬間にほかならない。もうこの時点でカタルシスの9割が達成されているも同然、完璧でタイトな修羅場にせこいスタンスは滅ぼされてしまう。3人のメンバーが少しずつ個性の違ったヴォーカルを入れ替わりながら立ち替わりながら、あるいは同時に聴かせるのが、BLACK TUSKのマナーだが、ドラムのタイミングに合わせ、その本領が発揮された直後、ギターとベースに怒濤のリフ、リフ、リフは刻まれていく。練り上げられたグルーヴがスコアを倍増し、カタルシスはより徹底的なものとなるのだった。必ずしもスピードに溢れたナンバーばかりではなく、テンポのチェンジを加え、ぐっとスローに落ちる楽曲もあるにはあるけれど、こちらの体感速度に鈍りをきたさないのは、血の気たっぷりの演奏がぬかりのないスリルを突きつけてくるためだ。クリアーとは方向が逆なジャック・エンディーノのプロデュースも功を奏し、全体の印象をざらつかせ、語義矛盾するようだが、フレッシュなどとめ色を偲ばせる。汚れなき穢れの濃い清さ。

 『TASTE THE SIN』について→こちら
 『PASSAGE THROUGH PURGATORY』について→こちら

 バンドのMySpace→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2011)
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