ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年09月10日
 香取センパイ 11 (11)

 『香取センパイ』おわった。というわけで、これにて完結の第11巻である。いやあ、最後の最後までとてもとても楽しかったので、一部のヤンキー・マンガ・ファン(というか僕)のなかでは、TAIRAの『ゼロサキ』と同じぐらい、一般的な評価の過小さに相反して、末永く記憶に残るであろう作品になった。不良界最強の男、倍賞を倒すべく、たった5人で西京高校に乗り込んだ香取一行であったが、やはり多勢に無勢、あと一歩のところで、ついに追いつめられてしまう。が、しかし、その挑戦劇からは、勝敗以上の価値を得るのであった。もちろん、負けん気と傍若無人さでは右に出る者はいない、そう、香取センパイを除いては、の話だ。リベンジというのは、ヤンキー・マンガにおける最大の見せ場であるけれども、それを、このクライマックスに持ってくるのは、シリアスであるほどに、燃える。だからといって、プロレス道場に通いはじめようとした結果、プロレスラーと対決する羽目になるところが、さすが香取センパイで、当然、かわいそうにガチャピンも巻き込まれる。しかも、なぜか敵対する西京のナンバー2新見までも道連れしてしまうのが、もう滅茶苦茶である。とはいえ、最終話では、倍賞との結着も、きちんとつけられている。あのオチも含め、というか、ここまで読んできた者にとっては、あのオチでなければならなかった。すくなくとも僕は、満足である。あと、すこし真面目なことをいえば、全編に渡り、ケンカの原因や動機に、ネガティヴな感情の持ち込まれていないことを、高く評価できると思う。じつは、90年代以降に、ヤンキー・マンガに限らず、バトルを取り扱ったストーリー・マンガのなかで、それをやれているものは少ない。また、僕は、ヤンキー・マンガを、ある種のモラトリアム劇とも見ているので、限定的な青春の期間を、おもしろさと明るさだけで描ききった点も、オーケーである。しかし作者の秋好賢一は、この連載のあいだだけでも、かなり画が巧くなった。香取センパイは、もうふつうにハンサムな男にしか見えない。馬鹿に見えない。そこだけが、ちょっと不満足だよ。

 10巻について→こちら
  9巻について→こちら
  8巻について→こちら
  7巻について→こちら
  6巻について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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