ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2011年11月06日
 Sea of Memories

 そもそも90年代に90年代リヴァイヴァルのようなグランジをプレイしていたバンドである。それが90年代リヴァイヴァルの気配漂う今日に当時を思わせるアプローチで復帰したからといって、何ら不思議ではあるまいよ。かつてのビッグ・ネームであるBUSH(ブッシュ)の10年ぶり、通算5作目のフル・アルバムとなる『THE SEA OF MEMORIES(ザ・シー・オブ・メモリーズ)』だが、いやいや、これはもしかすると99年の『THE SCIENCE OF THINGS』や01年の前作『GOLDEN STATE』を上回る。94年のデビュー作『SIXTEEN STONE』や96年のセカンド作『RAZORBLADE SUITCASE』の、つまりは全盛期に匹敵しうる内容なのではないかと思う。オリジナルのメンバーで、初期の要でもあったギターのナイジェル・パルスフォードが今回の再結成に応じなかったのは非常に残念だけれど、明らかに後任のクリス・トレイナーが持ち込んだものは少なくないし、それが90年代ヘヴィ・メタルのシーンで名をなしたボブ・ロックのプロデュースと相まって、抜群の効果をあげている。過去にORANGE 9mmやHELMETなど、ニューヨークのハードコア・アクトと深く関わってきたクリス・トレイナーのギターは、テクニカルな面、叙情的なパートを含め、意外と主張の激しいタイプで、構成自体は極めてシンプルな楽曲に厚みを与え、さらには派手ともとれる局面を、大変ダイナミックな響きをそこへプラスしているのだ。もはやグランジというより、メジャー指向のハード・ロックに近しいバランスとなっているのだったが、この、マナーはどうであれ、後ろめたさのない堂々とした手つきこそがBUSHだろう。ギャヴィン・ロスデイルのソング・ライティングも、BUSHというブランドを意識したためか、クリスとともに活動したINSTITUTEやソロ・キャリアの頃に比べ、 ぐっと照準が定まっている印象であって、ミドル・テンポを主軸にしながら、スケールの大きなサウンドを聴かせている。まあ、作品の出来がいいだけに日本盤ボーナス・トラックの3曲がまったくの蛇足になってしまうのは仕方がない。

 INSTITUTE『DISTORT YOURSELF』について→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2011)
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