ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年08月27日
 一大決心の末、意中の人に告白することを決めた紅葉であったが、結果、元同級生たちの前で、ひどい辱めを受けることになる。そのことをきっかけに、怒りの感情を知った恵都は、浩一に協力を頼み、紅葉を辛い目に遭わせた男子への復讐を企てる。一方、恵都と本格的に付き合いはじめた玲は、浩一と恵都の親しさが気にかかるあまり、浩一への態度を硬化させてしまう。恵都は〈いま思えば これが終わりの始まりだった〉ということを、そのときはまだ知らない。神尾葉子『キャットストリート』の4巻は、そうして主要登場人物たちの関係が、冬のはじまりとともに、さびしく変化してゆく過程を捉まえているのだが、そこにある転回が、あまり心には触れてこないように感じられた。このへん、うまく説明するのは難しいのだけれども、たとえば同作者の『花より男子』であったならば、よりずっと爽快に描かれていたであろう恵都の制裁が、彼女の男性への嫌悪感や〈でも復讐ってそんなにすっきりするもんじゃないね〉という一言を導き出すために、ぎこちなく、たどたどしい素振りになってしまっている。そのために、作者本来の資質、持ち味あるいは筆力自体がセーブされてしまったのではないか、と思うのだ。そうしたせいで、完全に現実的ではない行為にフィクションの説得力が備わっておらず、そのことが、恵都たちと浩一との訣別にも波及してしまっている。とはいえ、恋愛劇として見るならば、恵都、玲、浩一の三角関係が、とうとう顕在化し、それぞれの動向がどうなるのか、といった部分は気にかかるわけである。

 4巻についての文章→こちら
 3巻についての文章→こちら
 1、2巻についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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