ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年07月29日
 以前にも何度か書いているが、高橋ヒロシは、彼のマンガ『キューピー』に登場する我妻涼に憧れるファンの声が多いことに対して、あれは不幸なのに、と困惑した旨を増刊号だかどっかに書き残している。ところで柳沢大樹『ギャングキング』において、どの組織にも属さず、ギャングキングを目指すピンコの姿は、我妻涼のそれに重なるところがあるのではないか。そう思うときに、やはりそれは間違っているという指摘を、この7巻におけるマッスルくんのアクションに見ることができる。というか、マッスルくん、ここでいきなり物語の主軸に絡んできたなあ。そして、案外にいい人なのであった。〈ハートじゃ! 人っちゅうのはハートについて来るんじゃ!!〉。じつに渋い。前巻のジミーがピンコに敗北を喫した時点で、僕という読み手のテンションは、かなりの勢いで落ちてしまったのだけれども、マッスルくんの熱血硬派ぶりもあって、この巻はなかなかにエキサイティングだった。落ち込んだジミーを励ますアネの役割もいい。サイコの失恋エピソードも含め、これなんだよなあ、『ギャングキング』のよさは、こういう力みすぎない、それぞれがそれぞれそれなりに前向きであろうとつとめる様子なんだよなあ、と思い出す。たしかに、おしなべてこの世界はクソだ。おそらくはそのとおりである。ならば、世界の側に与さず、そこからドロップ・アウトすることこそが、もしかすると正しさなのではないか。いや、そうかな。それはそれでただの屁理屈だろう。社会の仕組みが絶対的に正しいわけじゃないが、そのなかに正しさがまったくないというわけではないときに、バンコは〈…自分の力じゃどうしようもねーことをよ……『しょうがねー』って思うのは簡単だけど……アイツ(ジミー)みてぇに悩んで苦しんで…“怒り”って感情を持ち続けることが大事なんじゃねーかな…〉と言った。

 6巻について→こちら
 4巻について→こちら
 3巻について→こちら

・『ドリームキング』に関する文章
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック