
そりゃあセレブリティのエゴを撒き散らすヴィンス・ニールとトミー・リーは糞だと思うぜ。僕にとってのモトリー・クルーは、永遠にストリートの詩人であり続けるニッキー・シックスと、マルコム・ヤングの次に過小評価されているギタリスト、ミック・マーズなんだからな。というわけで、モトリーのベスト盤である。何回目の最高潮(ベスト)だよ、って感じさ。けれども、ほんとうに良いものは最後に差し出される。つまり僕は、ジョン・コラビ時代(大好きだよ『モトリー・クルー』アルバム)までをも網羅したこれが、最終的に全部の総括であって欲しいと願っている。これでお仕舞い、次は無くっていいよ。おい、金儲けは止めろよ、ロック・スター。それはあんたたちの仕事じゃないだろう。僕らが羨むのは、ドラッグやアルコールでぐちゃぐちゃになっても死なず、今を、何度の失敗を繰り返しながらも生き延びているような、そういう刹那だけなのだった。しかしまあ、とにもかくにも90年代にボブ・ロックが作ったドラム・サウンドはやっぱり強力だったって思い知らされた次第。