ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年07月24日
 少女ファイト 1 (1)

 日本橋ヨヲコのマンガは、わりと参照項があからさまというか、先行作品からの影響を包み隠さないので、そのつくりは、要するに、サンプリングだとかリミックスだとかに近しいと思うのだが、多くの読者からそういうふうに読まれているといった気配が感じられないのは、あくまでも焦点は、そうしたフレームの内側にどれだけの熱量を込められるか、または読み手の注意をその熱量のほうへと傾けさせるか、という部分へと合わせられているからに他ならない。言い換えると、カタルシスさせるためのカタルシスを設ける、そのようなある種のハード・ロックに似た様式美がまっとうされているのであり、その機能性の機能的にのみすぐれていることが、良くも悪くも、作者の個性にまで高められているのだとして、作風に明瞭な熱血さ具合やストイシズムもまた、そこからやってきている。さて。古巣の講談社に戻り、現在『イブニング』誌で連載されている『少女ファイト』の第1巻である。過去に体験した悲痛な出来事から、もう調子に乗らないよう抑えながらバレーボールに取り組む主人公、練(ねり)は、しかし試合でコートに立ってしまえば、その才能を隠すことができず、チームメイトとの調和を無視してまで、ボールを追ってしまう、追えてしまうのだけれども、そういった自分自身こそが、もっとも嫌悪すべきものだと考えているので、ついに生き方を見失ってしまうのであった。これまでに『イブニング』に掲載された分をすべて収めたこの巻では、練の、中学時代の終わりが描かれ、高校へと進学した次巻以降では、おそらく、それから彼女がじょじょに再生していく、あるいは生き方の発見してゆく姿を追ってゆくことになるのだと思うが、現段階で、この作者得意のネガティヴに陥った登場人物を他の登場人物のポジティヴさが励ます、サポートするといった構図は、すでに顕著になっている。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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