
わ、新作出てたのか。しかも、けっこう前じゃないか。ああ、日本盤化がスルーされると情報が偏るな。オリジナル4枚目。クレジットを見ると、キーボードが抜けちゃったみたいだ。でもって、今回のプロデューサーはリック・ルービンで、ミックスはリッチ・コスティ(RICH COSTEY)という具合に、一線級のサポートにより制作されている。のだが、出来映えはというと、一言でいえば、ポップになった。ポップになったっていうか、アグレッシヴさやラジカルさではなくて、もっとずっとロックしてロールする欲望に忠実になっている。もともとレトロスペクティヴな趣のあるサウンドだったが、そういう原点(原典)を忠実に模写しながらも、オーヴァーヒートな熱量でもって、核心に迫る部分を、現代にまで引っ張ってきた印象だ。感覚としては、ガレージ・ロック云々っていうのは薄く、90年代にクーラ・シェイカーやリーフのやっていたものに近しい。ジャケットなんかを見ると、相変わらずポリティカルなメッセージを放っているようだけれども、そういったことは関係なしで、素直に心地よく聴こえてくる。関係なくていいのか、という疑問がないこともないが、それよりも何よりもまずここに反映されているのは、バンドの政治的な信念を駆動させている、心臓の音だろう。
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