ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年07月11日
 ワルの漫画術

 『ワルの漫画術』というのは、どっかの坊ちゃんくせえパンク気取った批評家の新書を思い出させたりもするが、そういえば島田一志もパンクスなんだったっけねえ。まあ個人的には「ワル」などといわれても、あまりかっこうよい感じはしないのだけれども、その二線級っぽいところが、まあ、島田という人そのものなんだろうな、と、彼が編集長をやっていた『九龍』の、あの誰に向けているのかわからない偏重ぶりを、今さらながらに偲ぶのであった。さて。〈本書でいうワルとは、簡単に言えば「既成の観念に囚われないアウトサイダー」のことです〉と本文中にはある。それというのは要するに、高尚なアートとして海外に流通することがマンガというジャンルにとっての最善ではなくて、あくまでもサブ・カルチャーとしてエンターテイメントとして読み手を楽しませると同時に、ステレオタイプな物の見方からの逸脱を啓蒙する、そのような在り方こそが、すくなくとも島田にとってはマンガの本質にあたる、といったことの言い換えであるのだが、ここに書かれていること自体がすでに、「「既成の概念に囚われないアウトサイダー」というステレオタイプ」をなぞるものでしかないので、マンガに対する読みに関しては、とくに感心する点はなく、江上英樹『IKKI』編集長と太田克史『ファウスト』編集長のインタビューも収められているのだが、率直にいって、読むところは少ないかな。とはいえ個人的には、島田も参加していた90年代半ば頃の『ヤングサンデー増刊 大漫王』を偏愛しているので、たとえば、そこで〈初めて起こした連載作品は古屋兎丸氏の『ショートカッツ』とねこぢる氏の『ねこぢるまんじゅう』なのですが〉というあたり、どういう経緯でもって『ガロ』から引っ張ってきたのかしらとか、そのへんの話がもっと聞きたい。

 『コミック・イズ・デッド』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書(06年)
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Tracked: 2006-07-11 15:09