ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年07月05日
 ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ(初回限定盤)

 個人的な感想をいうと、03年の前作『ABSOLUTION』にはピンとこなかった。身ぶり手ぶりは大仰なのだけれども、いかんせんリスニング指向が強く感じられたので、怠かったのである。だが、この4作目にあたる『BLACK HOLES AND REVELATIONS(ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ)』については、たとえば99年のデビュー・アルバム『SHOWBIZ』がそうであったように、はっきりといえば単調ではあるが、しかし、それでもとにかくロマンチシズムのフィジカルな伝播に長けた面が際立ったおり、まあ要するに、ペラい、ペラいのだけど、そのペラさが、それこそVAN HALENにおけるチープなキーボードやライト・ハンド奏法が、楽曲のテーマ的にはほとんど意味も持たないのに、なぜか異様なカタルシスをもたらすのに似て、サウンドそのものの矜持にまでなっている。MUSE(ミューズ)というバンドは、ライヴの場においてはとくに明らかなとおり、もともとトリオ編成ならではの有機的な演奏とは、ほとんど無縁である。どうもその佇まいから、プログレ的な趣を見出す向きもあるみたいだが、リズム・ヴァリエーションの乏しさもあって、イングウェイ・スタイルのハード・ロックじゃないか、と穿った見方さえしたくなるときもあるとはいえ、そうまでして会場全域に機能させようとしているのは、先ほどもいったが、ロマンチシズムのフィジカルな伝播に他ならない。このアルバムでいえば、全編で響き渡るワン・パターンなシンセサイザーや、7曲目の「ASSASSIN」を彩るメタリックなギターのリフなど、ぶっちゃけて深みはない、音響効果的なカタルシスでしかないのだが、しかし、そこが燃える。フックの有り様やポップ性も含め、楽曲単位の優劣だけを見ると、01年のセカンド『ORIGIN OF SYMMETRY』には今一歩及ばないけれども、その過剰であることが翻って空虚に聴こえ、その空虚に聴こえることがなぜか音の強度に繋がるといった、ある種独特でラジカルな体質が、これまで以上に剥き出された佳作である。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(2) | 音楽(06年)
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