ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年06月15日
 スプラウト 2 (2)

 わりとシリアスというか、緊迫した、すこし言い方を変えると、泥沼風味の展開が続くので、おどろいた。南波あつこ『スプラウト』2巻である。父親が下宿を開いたため、同じ高校に通う草平と、一つ屋根の下に暮らす羽目になってしまった実紅は、そのせいで恋人である片岡先輩との関係に、なにか、微妙な違和感を覚えはじめるのだった。同居コメディ的な、すれ違いなどが重ねされ、読み手がヤキモキさせられるのではなくて、けっこう早い段階で、実紅が、自分の心変わりを察してしまうため、これはちょっと見ていて、痛ましい。それを緩和してくれる役割を果たしているのが、草平以外の下宿人たちになるわけなのだけれども、ただ、そうした周囲の人々の気遣いが、逆に、実紅の心内を見透かしているようであって、なお切ないといったところか。まあ単純に、実紅が空回っているだけという話もある。要するに、ワキの登場人物たちと巧く噛み合っていないのであって、そのへんの調整が、作品そのもののコントラストに繋がるのではないか、と思う。このまま恋愛面のみを強調してゆくのであれば、問題は、と、草平とみゆのカップルが、それが壊されるのを想像するのも忍びないほどに、けっして悪い雰囲気じゃないってことだよな。現段階では、藻掻けば藻掻くほど深みにはまる一方の泥沼に、実紅ひとりだけが足を踏み込んでしまっていて、読み手の立場をいえば、だ。心理的に、とてもやるせないのである。

 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(2) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
この記事へのコメント
みくのみの字が間違っています。
美ではなく実です。
訂正よろしくお願いします
Posted by さつき at 2010年01月31日 12:48
さつきさん、どうも。

ご指摘ありがとうございます。
×美紅→○実紅
誤字確認、訂正いたしました。
Posted by もりた at 2010年01月31日 18:32
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