ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年02月12日
 松浦純菜の静かな世界

 中学の頃、悲惨な事故に遭い身体に障害を負った松浦純菜が、治療を終え、かつての同級生たちの前に姿を現すとき、街では連続女子高生殺人事件が起こっていた。誰もが心のなかに抱える闇、自分を拒絶する者を殺したいという欲望を、具現化してゆくように進行するストーリーの渦中で、人々はけっして他人からは理解されない孤独へと身を落としてゆくのだった。きた。暗黒大使、浦賀和宏の世界。『彼女は存在しない』よりあとの作品は、個人的にはいまいちどうも、だったのだけれども、これはひさびさに深く感情移入した。や、感情移入しちゃまずいのか。作家本人はテクノ系ミュージックのリスナーっぽいが、僕には、彼のやっていることは、まるでミニストリーやナイン・インチ・ネイルズのようなインダストリアル・メタルのように思える。冷酷さと狂気の駆動が、なぜか心の奥のほうに強く当たる。たぶん、全体の像をシンプルに捉えれば、人はひとりでは生きてはいけない的なポジティヴなメッセージが掴めるのだが、それを反対の軸で否定する、他者との交わりこそ苦しみであり摩擦なのだという素直なまでのネガティヴィティが、浦賀作品独特のダブル・バインドを成り立たせているのである。さて。恒例であるミュージシャンからの引用は、坂本龍一なんだけれど、歌詞とかからではなくて、著作からの社会的なメッセージだというのが、浦賀の新しい局面を示しているのではないか。うそ。グフパーンチ!
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック