ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年06月09日
 目白雑録(ひびのあれこれ) (2)

 すくなくとも僕にとって、かっこういいとは、こういうことだ、と思わされる金井美恵子のエッセイ集『目白雑録(ひびのあれこれ)』の第2弾である。が、いや、しかし、ほんとうにおもしろいなあ、あっという間に読み終えてしまう。はじめのほうは、04年に書かれたものだということもあり、時事的な部分に関しては、いま現在からみれば、やや時期の過ぎた、この本のなかの言葉を借りれば「長月のアジサイ」的なものも多いけれど、だからこそ逆に、たとえば〈『聖少女』は高校生の時に読みましたと言われたことで〉〈この年になってみれば、私も全然平気になるのだった。ウン、ウン、〉と書かれていたり、〈『暗い旅』は「私」という一人称が自動的に「あなた」に置きかえられているだけなのと内容の少女小説性のために、なんかこう、自分のことを「あなた」と呼びかけて日記をつける文学少女のような文体になってしまうのが気持ち悪かったけれど〉などとある箇所は、倉橋由美子が亡くなった今日この頃では、よけいに興味深かったりもする。そのような同業者(「競争相手は馬鹿ばかり」の世界)への意見として、もっとも多くページが割かれ、もっとも辛辣なものとなっているのは、やはり島田雅彦に関してで、そのさい、中原昌也や阿部和重の持ち上げ方はべつにどうでもよく、〈絶対なりたくないし、なれないものがもう一つあった。男の利口ぶった小説家である〉といった言い切りのセンスに、ふふふ、と笑わされる。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書(06年)
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金井美恵子『目白雑録2』○
Excerpt:  タイトルは「ひびのあれこれ」と読みます。初出「一冊の本」2004年5月号〜20...
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