ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年06月08日
 『群像』7月号掲載。ああ、やめればいいのに、なぜこんなところに顔を出してしまうのだろう。アメリカ(ニューヨーク)を舞台にした、フィルム(カメラ) を巡る物語という大筋自体は、作者である生垣真太郎が以前に発表した『フレームアウト』や『ハードフェアリーズ』といった小説に通ずるものであるが、しかし、それらがミステリという論理的整合の世界に止ろうとすることで、かろうじてキープされた緊張を読ませるものになっていたのに対して、この『キメラ』の 場合は、掲載誌に合わせてか、冗長に、散漫に、抽象的なイメージのぐだぐだに帰結するのみである。状況の把握と細部の積み重ねにつとめる前半は、けっして悪くない。だから、そのひっくり返し方というか。おそらくは、プロットには拘束されえないものを小説の内部に導き出すことが、ここでは目指されているのだろうが、そうして最終的に辿り着くのが、語り手のいうように「まあ、いいから。気にするな。俺の問題だ。君が気にすることはない」程度のものでしかないのだから、ああ、いや、そうですか、といった具合で返答に困ってしまう。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(06年)
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