ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2011年03月01日
 SONS OF THE NORTH

 不確かなものばかり。どんな意見にしたって所詮は流行りの消耗品にしか思われないようなとき、他人の目を気にしないぐらいに趣味だけを貫いている姿が、やたら眩しく見えることがあるんだ。BLACK SPIDERSのファースト・フル・アルバム『SONS OF THE NORTH』が出た。以前にも述べたとおり、元GROOP DOGDRILLのピート・スパイビーが、FUTURE EX WIFEを経て、現在稼働させているバンドである。ヘヴィなブルーズを基調とし、ダイナミックに展開されるロックン・ロールが、たいへん潔い。ずばり迷いのなさが鉄腕の強度を備えさせているのであって、そこに惚れ惚れ、魅力的なピークを宿している。しかしなるほど、EPの単位ではさほど気にならなかったが、こうして全体のデザインがはっきりとした作品を前にすると、かつてGROOP DOGDRILLで狙っていたのとは意外に違った方へ音楽性を向けているのがわかる。アップ・テンポなナンバーを揃えてはいるけれども、パンクであったりジャンクであったりの印象はかなり薄まった。もしかすれば、WHITESNAKEあたりのブリティッシュ・ロックをアップデートしていった先に置かれるべきサウンドなのかもしれない。ところどころLED ZEPPELINの影響もうかがえる。ギターのフレーズが色気をたっぷりにうねり、ヴォーカルのメロディがしばしばセクシーな調子になるのは、その証拠だろう。昨年の『NO GOATS IN THE OMEN』EPに収録されていた3曲目の「JUST LIKE A WOMAN」をはじめ、女性ヴォーカルがデュエットに参加している4曲目の『EASY PEASY』や、タイトルに似つかわしい派手なロールでエンディングを飾る10曲目の『WHAT GOOD'S A ROCK WITHOUT A ROLL?』などは、たとえばAIRBONEやTHE DATSUNSがそうであるならば、ハード・ロックの文脈に相応しいスタイルを持っている。ただし、いささかタイトでストレートすぎるか。個人的にはもっとジャンクに大胆なカオスを溢れさせていてくれてもよかったが、もちろん、先行でリリースされていた1曲目の「STAY DOWN」や6曲目の「ST. PETER」における猛々しさ、アグレッシヴなフィーリングが損なわれていないのは好ましい。7曲目の「MANS RUIN」における気怠さを引きずったグルーヴには、90年代のグランジやストーナーと相通じるニュアンスがしかと含まれている。いずれにせよ、タフでいてガッツを盛り沢山にした作品である。好きなことを好きなようにやる。明け透けな、俺たちにはこれしかないもんね、の態度に愚直さと誠実さの詰まった。

 『CINCO HOMBRES (DIEZ COJONES)』EPについて→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら(音出ます)
posted by もりた | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽(2011)
この記事へのコメント
もりたさんの音楽の考察いつも読ませて貰ってます。楽曲への愛のある文章、ぼくは読むのが大好きです。

僕はKAT-TUNが好きなのですが、Ultimate Wheelsと、赤西仁のEternal、のもりたさんの考察が読みたくて仕方ないです。
リクエストするのも大変大変失礼ですが、いつか書いてください。楽しみにしております。
Posted by 花街 at 2011年03月18日 22:12
花街さん、コメントありがとうございます。

「ULTIMATE WHEELS」と「ETERNAL」に関しては、たまたま忙しいタイミングであったため、書きそびれてしまいました。どっちもアルバムが出たおりには触れたいなと思っております。
Posted by もりた at 2011年03月19日 13:14
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