ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2011年02月19日
 Long Live the Chariot

 ああもう面倒が臭いほどに溜まったら大声で叫べよフラストレーション、である。轟々としたガッツに不安も憂鬱もいっさい砕かれてしまえばいいのだった。そんなにうまくいくかな。いくよ。THE CHARIOTの『LONG LIVE』がそれを証明している。ジョージア州アトランタ出身の5人組で、05年にデビューしたバンドだけれど、通算4作目のフル・アルバムとなるここでも、初期の衝動を損なわないまま、激しいテンションのサウンドを撒き散らしているのだ。今日的なハードコアのマナーに則って拍子の落差に楽曲の展開を任せていたりもするが、そこが第一印象となっていないところに高ぶり、強く引っ張られるものがある。端的にいえば、直情。超剛猛速球のオンパレードだろう。ギターのノイズが不機嫌に響き渡るなか、ドラムが無愛想なリズムを叩きつけまくる1曲目の「EVAN PERKS」から先、まったく息つく暇がない。ヴォーカルは太い声を荒げ、ナイーヴな主張とは正反対のエモーションをさらけ出す。こんなにも怒りに怒り、切羽詰まっているんだぞ、心に本当でいたいなら躊躇いや戸惑いなど知ったこっちゃない、の態度を剥き身にしているのである。2曲目の「THE AUDIENCE」で起爆させられるスリルに体を震わせよう。もちろん、徹頭徹尾ストロングなスタイルを貫いているため、場合によってはワン・パターンに近しいイメージを免れない。しかしそれがネックにならないだけのエネルギーが全編に満ち溢れている。いや、突然ラジオフレンドリーなポップスが盛り込まれる3曲目の「CALVIN MAKENZIE」であったり、デジタルな触感でフレーズをエディットした4曲目の「THE CITY」や9曲目の「THE HEAVENS」に顕著なとおり、ユニークなアクセントを随所に置くことで、楽曲毎の存在感がくっきり、決して飽き飽きとしないまでの抑揚がつけられている点に、あ、と息を漏らすのに十分な独創性が見られるのだし、そこがまた作品の新鮮な魅力ともなっているのだった。おそらくアーティストの企画力とポテンシャルがよく出ていて、すなわちハイライトに挙げられるべきは7曲目の「DAVID DE LA HOZ」だと思う。ごり押しのスピードではじまったナンバーが、エキセントリックな変調を経て、スローなドゥームを孕み、やがてピアノとハープの調べに辿り着く。いくつもの山場が正しく一連なりにされているのだ。ホーン・セクションを導入した10曲目の「THE KING」その軋んだグルーヴも侮れねえ。混沌にまみれた世界を意識させるが、一方でそうした有り様に対する極度の抵抗がクリアーにあらわされている。要するに、主体性が音源としてきっちり確立されているのである。フラストレーションを我慢しない。不安も憂鬱もいっさい砕いてくれるかのようなガッツを轟々と放つ。

 バンドのMyspace→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2011)
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