ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年04月29日
 高校デビュー 6 (6)

 晴菜の元気いっぱいな立ち回りが、ほんとうに、楽しいなあ。河原和音の『高校デビュー』は、ヤングな男女間における恋愛の相克を、とてもとてもポジティヴに描き出した、気持ちのよい作品であるけれども、この最新6巻の振り切れ方は、これまでのなかでもトップではなかろうか、あはーとなるほどに新鮮であるし、いやいやいやってなるほど素敵である。恋愛マンガというのが、もしもリアリズムではなくて、空想に則したものであるのならば、一線級のファンタジーとして、まばゆい輝きを放っている。さて。てんやわんやを経ながらも、ヨウとの初々しい恋愛関係を、順調に育む晴菜であったが、ついに、伏線の一部として捉まえてしまってもいいだろう、ヨウの元カノという存在が、晴菜の前に姿を現してしまう、というのが、この巻における大筋だといえる。この手のストーリーにおいては、過去の因縁が、物語に絡んでくると、とたんにドロドロと、グロテスクな側面が屹立してきてもよさそうなものだが、しかし晴菜の、ヨウにいわせれば〈嘘だと思いたい〉キャラクターによって、そうはなっていかないところが、やはり強いチャームであろう。正直なところ、なぜヨウが晴菜を選んだのか、ここまでの展開上、その理由付けが弱く感じられる部分もあったけれど、ヨウと元カノとのクライマックスにおける対話を読めば、ああ、そうか、わかる、つまり晴菜の良さって、そういうことなんだよな、と腑に落ちる。なんかね、ハッピーすぎてズルいや、と思わなくもないが、でも、元気いっぱいって、きっときっと、すごいことなので、ふいに近寄ってきた不幸も、どっか吹っ飛んでいってしまうのだとすれば、それはそれで、このマンガが持つ最大限の説得力なのに違いない。

 第3巻について→こちら
 第2巻について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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