ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年04月28日
 7SEEDS 8 (8)

 近未来、巨大隕石が衝突し、いったん世界が終わったあとの日本に生き残った人類は、「7SEEDS」計画によって選ばれた、ごく少数の若者たちのみであった。獰猛に変化した自然環境のなか、春・夏×2・秋・冬の5チームに分かれて存在する彼らは、はたして、絶望に近しい状況をくぐりぬけ、希望に似た光を見つけることはできるのだろうか。田村由美『7SEEDS』が興味深いのは、非日常へと放り込まれた少年少女たちの生きる懸命な姿を描きながらも、ふつう、こういったサヴァイバルものにとっては、登場人物たちを移動させたり、ストーリーを駆動させるために、必要不可欠ともいえる、明確なゴールがどこにも設定されていない点だろう。たとえば『ドラゴンヘッド』などの作品に見られる、自分たちの住んでいた街では家族が待っているかもしれない、あるいは大きな都市(東京など)に行けば生き残っている人間がいるかもしれない、といった可能性も、かなり初期の段階で無化されているし、『漂流教室』などの作品に見られる、平穏な時代への帰還が、そもそもそれを望むことが、無意味であるように舞台は設定されている。つまりは、ゼロ同様の始点から終点までを、物語中の人間が、自ら、立ち上げてゆかなければならないのである。文化を知らないわけではない、文明人としての意識を持っていることが、逆に、生き残りを苛酷にしてゆく過程は、かなりヘヴィだといえる。じっさいに、魅力的なキャラクターたちでさえ、やけにあっけなく退場していってしまうのであった。さて。8巻では、前巻に引き続き、現在または現代(つまり本筋からすると過去)での、「7SEEDS」計画に関わる、とある試練が描かれている。おそらくは、その試練を通じ、本来の目的とはべつに、7巻において「死神」として暗示されているものが誕生することになるのだと考えられるが、しかし、いったい何(誰)がそれにあたり、そして本筋に戻ったとき、どこでどう絡んでくるのか、いや、すでに絡んでいたとしても、それがどういう役割を負っているのか、まだまだ先の読めない展開が繰り広げられており、読ませる。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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