ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年04月09日
 イゾラバ! 巻ノ1 (1)

 個人的な好みをいえば、お色気要素満載のコメディは苦手な部類に入るのだが、この大西実生子の『イゾラバ』はよろしいんじゃないか、おもしろい、と思う。江戸中期、才能ある能面師に惚れた花魁の常盤は、しかし、その恋が実らぬことを知り、死に、鬼となり、そして現代、能面師の子孫である以蔵の前に、時を越え、甦る。以蔵を能面師の生まれ変わりだと信じる常盤は、押しかけ女房よろしく彼につきまとい、その平穏な日常を掻き乱してゆく。といった具合に、大筋は、異性異者との非日常的な同居という、ある種のパターンをなぞった物語だといえる。そのようなパターンの典型として、下着の描写など、お色気要素が相応に盛り込まれている。そりゃあ、常盤のキュートさには、ちょっと、いや、めちゃんこ魅せられるものがある。まいる。とはいえ、僕にとっての重点はそこではなくて、これが、とにかく一途な片思いと、そして〈女の子を悪から救う〉自然居士の精神を扱っているところである。行き過ぎた想いは、たしかに人を傷つけることもあるが、しかし、ときに人を守るためにある。〈わっちゃあ物やない!! お金でどうこうされるんは好かん!!〉という常盤の嘆きに、思わぬところで〈人はおカネにかえられないさ〉と以蔵が応えている、そうした展開がいい、好みである。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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