ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年09月02日
 ああ「12ヶ月」という楽曲がとてもいいな、と思うのだ。こうやってカミセン(Coming Century)を熱心に聴くようになったのは昨年の活動以来だけれども、V6のニュー・シングル『only dreaming / Catch』の初回限定であるMUSIC盤に付属されたボーナス・ディスク、そこに入ったカミセン名義のナンバー「12ヶ月」は、ミニ・アルバム『Hello-Goodbye』で得られた充実の間違いなく延長線上にある。カミセンの優位とは、メンバー3人のまさしく三者三様の声質が、現代的なコンテクストを汲んだトラックの上で、エモーションのひじょうに鮮やかな世界を切り開いているところにあるのだったが、Sonar Pocketや湘南乃風、FUNKY MONKEY BABYSと関わりのあるSoundbreakersをバック・アップに迎えて、せつない線のラヴ・シーンを描き出す。

 正直、ヴォーカルの巧みさをいえば、V6の年長組にあたるトニセン(20th Century)の方に圧倒的な分がある。だがすでに述べたとおり、森田くん、三宅くん、岡田くんの、歌声の、必ずしも技術論には還元できない特徴的な部分が、カミセンの最大の魅力なのであって、それを「12ヶ月」に満ちる情緒はフルに生かしきっているのだった。派手な展開も決してなく、穏やかに刻まれた打ち込みのなか、誰かを想うと必然、心の動きが激しくなってしまうのをなるたけ抑えているかのようなコーラスは、今までになかったぐらい大人び、しかしその奥の奥で静かに燃え続けたまま、まだ消えないでいる気持ちを確かに伝えてくる。とくに岡田くんのファルセット、森田くんの低音から三宅くんの高音へとリレーされるラップときたら、自分の経験に重ねて、痛くした胸を押さえたっていい。〈時間を戻せたら・君に会えたら・この腕でしっかり・抱きしめる・もう二度と君が・世界から消えないように〉と。〈言いたいのに・抱きしめたいのに・ケンカだっていいから・君としたいのに〉って。そう〈泣いて・思い出すのは笑顔ばかりなのに・何故〉

 そして最後の〈夕暮れがそっと・空を染めていく・あの日の向こう側・君が笑っている〉という甘やかでいて寂しげなフレーズのあと、曲間なしでアップ・テンポで軽快な「New Day」に繋がっていく構成がまた、「12ヶ月」の表情と輪郭をくっきりさせている。カミセン名義でありながらもトニセンをフィーチャリングした「New Day」は、ダンサブルなポップ・ソングとなっていて、前向きなメッセージが何よりも力強く。と、まあカミセンの楽曲についてのみ触れてきたのだったが、いやじつはV6名義のタイトル・トラックである「only dreaming」にしても、ここ最近のシングルでは出色だと思われるし、トニセン名義の2曲にしたって、おそらくはジャニーズでもっとも成熟することに自覚的なグループであるのをうかがわせるほど、すぐれた歌唱力によっておおらかな風景を掴まえている。

・その他Coming Century(V6)に関する文章
 コンサート『We are Coming Century Boys LIVE TOUR 2009』(8月7日)について→こちら
 『Hello-Goodbye』について→こちら
 V6『スピリット 初回生産限定(MUSIC盤)』収録曲について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。