ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年07月23日
 ガキホス 2巻 (ヤングキングコミックス)

 全2巻で完結したところから振り返るに、きたがわ翔がホスト・マンガを描いた、以上の感想を持たないかな、というのが、この『ガキホス』である。ストーリーにしても、とくに目新しい印象を得てはいない。主題とすべきは、欲望と拝金とが結託した水商売の世界に主人公のイノセントがどう作用していくか、だろう。が、それもまた、決して珍しいものといえない。良かったのは、ステレオタイプな道徳に色目を使ったかのような反省を持ち込まず、総じてアッパーな展開に徹していた点で、物語の深さがどうとかいうのはともかく、ひじょうにライトなエンターテイメントが、肩を凝らせない。惜しかったのは、ほとんど同じ理由によっているのだけれども、主人公に必要とされた軽さ、明るさとはべつのレベルで、作中人物たちの存在が、薄っぺらくなってしまっていた。男性キャストの集合を、会社組織の読み替え、あるいはホモソーシャルの寓話に見せたい部分が、こうした系の必然として、あきらかにありながらも、その点はあまりうまくいっていない。ストーリーは、最終的に、伝説のホストであった父親の残したテーゼを主人公が受け継ぐ、といった箇所に着地しているのだったが、それが水商売の世界に特徴的なペルソナ被りのゲームのどことどう違うのか、まあ愛があるかないかの抽象性で線引きされているのかなと判断がつくものの、いささか曖昧なままになっている。

 1巻について→こちら

・その他きたがわ翔に関する文章
 『デス・スウィーパー』
  5巻について→こちら
  4巻について→こちら
  1巻について→こちら
 『刑事が一匹』
  7巻について→こちら
  6巻について→こちら
  5巻について→こちら
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