ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年07月10日
 JUMP NO.1

 Hey! Say! JUMPに関しては、これまでに発表されてきたシングルの数々が必ずしも自分の好む音楽性とは一致しなかったため、さほど関心が高くなることもなかったのだが、ファースト・フル・アルバムとなるこの『JUMP NO.1』はしかし、いやまあグループ自体の特徴をつよく印象づけるという意味では、他にはないサムシングをはっきり得られるわけではないものの、ジャニーズ歌謡を一個のジャンルとするのであれば、それの現在形をひじょうにレディメイドなかたちで提出していて、若々しいなかにどこか懐かしさを感じさせるところが、思いのほか楽しかった。驚きがまったくない、というのは、ときとして魅力的な措置となる。個人的には9曲目の「Dreams Come True」以降の並びが好きである。より正確を期すなら、10曲目の「Time」をもっとも好きなナンバーとして挙げたいのであって、じつはそこまで行ってよくやく『JUMP NO.1』の方向性に、はまれた。じっさい「Time」って白眉ではないかい。ハードな打ち込み、ダンサブルな曲調に、メロディ化されたせつない別れとささやかな期待とが、縫い込まれていく。この手のサウンドはまさしく、平田祥一郎という作曲家が得意とするものだろう。そして歌詞をのせているのはメンバーの高木雄也である。高木くんのレトリックは、入魂の息遣いをうかがわせるけれども、決して非凡なものではない。だが、むしろ〈終わりなき永遠を感じてた / You & I / サヨナラもべつに / いいじゃん / いいじゃん / 振りはらう / 愛してるの言葉も / 思い出の中だけ / 時計の針止めた / フ・タ・リはもう戻らない〉そのようなステレオタイプ性にあらわれた率直さこそが、ひどく胸を打つ。純粋であることとメランコリックであることが、照れ隠しのない表情の向こう、混在しており、それが性急なビートによって、まざまざ強調されているのだ。ただし、全体的にミックスが変ではないだろうか、これ。まさか編曲に有岡くんがクレジットされているのは無関係と思うが、ヴォーカルのバランスがときおりおかしくなるし、バックの触感がちょっと耳障りになる箇所がある。他のリスナーもそう感じているのかどうか、はたしてそのようなミックスが正解で狙いなのかどうかは不明なのだが、できればもっとべつの仕様で聴きたかった。八乙女くんが作詞作曲した13曲目の「アイ☆スクリーム」もなかなかにキュートだ。たぶん、磯崎健史と吉岡たくの、いかにもポップなアレンジが功を奏している。15曲目の「Dash!!」は、いっけんHey! Say! JUMPには似つかわしくないようなロック・ソングになっているのだけれど、編曲に清水昭男の名を見つけ、なるほど。ストリングスを含んだ大仰なバラードの「Thank You 〜僕たちから君へ〜」で幕がおりるあたりも、ジャニーズ歌謡のセオリーどおり。それにしてもしかし「Thank You 〜僕たちから君へ〜」の終盤、余韻を残すよりも先に転調し、ブラス・バンドのレパートリーふうにシングルのメドレーがはじまるのは、良くも悪くもすげえアイディアだなあ、と衝撃をもたらすし、メンバー一人一人が最後にメッセージをあてているのは、蛇足気味に受け取れる。


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。