ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年03月24日
 ロボとうさ吉 2 (2)

 加藤和恵『ロボとうさ吉』は、ひじょうにエンターテインな内容ではあるのだけれども、どうも最高潮にまで気分が持っていかれることはなくて、それはどうしてだろう、というのが引っかかり、気になっていたのだが、この巻におけるある場面が、その理由を象徴的に表しているような感じがした。衛星軌道を最速でまわるレースの途中で、軍が介入し、すべてがぶち壊しになったとき、主人公のひとりであるロビンが〈わーわかんないわかんない わかんないよ!!!〉〈お前らはなんなんだ!!! なんでおいらにつきまとうんだよ〉〈おいらはこのレースにゆうしょうして〉〈宇宙船なおしたいだけなんだ!!〉〈だからもうほっといてよ!!!〉と叫ぶ。僕個人は、このマンガを、ごく初期の『ドラゴンボール』のような、旅は道連れ的な冒険活劇のヴァリエーションとして楽しみたいところなのだが、というか、人里離れた場所で生活していた人外の者が、余所からやってきたワケアリ者にナビゲートされ旅立つ、といったプロット自体は、そのように出来ていると思うのだが、それ以外の設定が、たとえば「あらすじ」における固有名の多さからして、ちょっとばかり面倒くささを含んでいるのと同時に、よくある主体がふたつに引き裂かれる描写が多く用いられているため、爽快感がめっきりと後退してしまっている。つまり〈おいらはこのレースにゆうしょうして〉〈宇宙船なおしたいだけなんだ!!〉といった、シンプルな一本道が、その他の出来事や思惑によって、ことごとく迂回させられてしまう、言い換えれば、ワンエピソードが一個のイベントとしては完結しないまま、次々に大量のガジェットが投機されてしまう点に、いささか不満を覚えるのである。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック