ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年03月23日
 ポップ・カルチャー年鑑〈2006〉

 『ポップ・カルチャー年鑑2006』は、川勝正幸+下井草秀=文化デリックが、昨年一年にわたって行った「文化デリックのPOP寄席」というトーク・イベントをまとめたもので、巻頭には、菊地成孔に安田謙一、湯山玲子を招いての「ポップ・カルチャー・アワード2005発表!」という座談会が付せられており、要するに、05年に発表された映像作品、音楽、書籍を総括しているのだが、僕が関心のある文化圏とは、一部は重なるが、微妙に異なる題材が多数取り上げられていて、むしろ新規の情報として得るところが大きかった。微妙に異なるといったけれども、では、ここでは「ポップ・カルチャー」として定義されているのはどのようなものか。たとえばP6に次のようにある。〈ポップ・カルチャーの「ポップ」には、二つの意味があると、文化デリックは考えている。まず、アンディ・ウォーホールのポップ・アートのように、価値観の座標軸を変える強さを持つ作品。そして、ポピュラーな文化のポップ。大衆に売れることで、気が付いたらパラダイムの変換点を起こすパワーを持つ作品〉。けっしてユース・カルチャーやカウンター・カルチャー的な側面の模索されていないあたりがミソではないかな、と思う。それも、まあ、性差年齢に問わず、すべてがサブ・カルチャー化した現在においては、センスやカテゴリーに関わる、一種の傾向または指向として捉まえるのが妥当だろう。音楽の系統でいえば、なんとなく『ミュージック・マガジン』といった感じの範疇が選択されている。個人的には、「ポップ・カルチャー・アワード2005発表!」のなかで、菊地成孔が、村上春樹の『東京奇譚集』を、ユング派の視点を持った作品として高く評価している点が興味深かった。菊地は〈今回の短編集でいえば、最後の一篇の「品川猿」――あれはユングを使った日本のエンタテイメント小説としては、すごいレベルですよね〉といっている。あと、出版部門の1位に川崎徹の小説『彼女は長い間猫に話しかけた』が輝いている。僕はといえば、これ、高橋源一郎が帯で褒めていたので、買ったはいいけど、じつはまだ手をつけていなかったのだが、ここでの意見などを見、そうかそうか、と思い、ようやく読みはじる気になった次第である。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(06年)
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