ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年05月27日
 コイバナ!恋せよ花火 8 (マーガレットコミックス)

 いやはや、校長先生の扱いがすげえな。とにかくもう、ななじ眺『コイバナ! 恋せよ乙女』の8巻に関しては、それに尽きる。というのは、まあ冗談半分本気半分であるが、はからずも会食状態になった校長先生と宇野誓のツー・ショットは、両者のコミュニケーションも含め、なんかこう、めちゃくちゃであって、なんだこれ、と思わず口に出してしまうぐらいの迷シーンであろう。

 しかしながら、もちろん本題はヒロインである花火と宇野誓(花火がそう呼んでいるせいか、どうしてもフル・ネームで書きたくなる)の、やきもきとしてくるラヴ・ロマンスなのだったが、以前にもいったとおり、このマンガは、ワキを固める人物たちの群像がまた程よくて、マサトとしのっちょカップルの危機や、佐々に対する厚美の片想いなど、関係と経験とを蓄える場としての高校生活にも、少しずつ変化が見られていく。ああ、みんな幸せになれるのかい。

 懸命な厚美の努力を目にし、宇野誓が〈ふーん どっこもフクザツだーね〉と呟くのを受けた花火の〈そりゃカンタンがいいに決まってるし カンタンを望む人のが絶対多い気がするのに カンタンじゃないことのが多いね〉という言葉がひじょうに印象的なのは、それが作品全体のテーマをまるで代弁しているかのように感じられるからだと思う。〈でも だからこそがんばろうと思うし がんばってって思うし〉その対象は違えど、誰もが他の誰かに惹かれ、好かれたいと願い、働きかけ、傷つき、にもかかわらず、自分の気持ちを諦められない。だがそして報われる想いもあった。

 紆余曲折を経、ようやく花火は宇野誓と相思相愛に近しいところにまで行けた。これは正しく本筋における大きな前進であり展開にほかならない。けれども、そこで最初期の障害が改めて確認されることとなる。つまりは、若い男性を苦手とする花火の性質が、当人の思慕とは裏腹に、宇野誓からのアプローチを拒絶してしまうのである。

 以前のストーリーにあっては、宇野誓のバリアをどう花火が解いていくかが、要約のうえでの重要なトピックであったといえる。今後のストーリーでは、もしかするとそうした立場が逆転することになるのかもしれない。どちらか片方がもう片方に歩み寄るばかりではなく、双方が歩み寄ることで一つの解決が得られるのであれば、当然、それがいいに決まっている。

 7巻について→こちら
 4巻について→こちら
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら

・その他ななじ眺に関する文章
 『パフェちっく!』
  22巻について→こちら
  19巻について→こちら
  14巻について→こちら
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