ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年04月24日
 Evil Power

 とどのつまりは、気に入らないことと面と向かうのに必要なパワーを寄越せよ、ガッツを寄越せよ、と思うのだ。手の平をいつもグーに握らせていてくれるようなBGMを鳴らせよ、と願う。エクストリームなハードコアもデス・メタルもストーナー式のロックン・ロールも渾然一体にし、無作法なほどがしがしと響かせる、それこそが米イリノイ州シカゴ出身のトリオ、LAIR OF THE MINOTAURの使命であって、08年のサード・アルバム『WAR METAL BATTLE MASTER』に続く本作『EVIL POWER』も当然、このバンドならではのえげつなさをあらためて認識させると同時に、ストレスでがんじがらめになっているのなら大声で叫べよ、という気分にしてくれる。要するに、エキサイティングなのである。今回よりSOUTHERN LORD RECORDSではなく、自身たちで立ち上げた新レーベル、THE GRIND-HOUSE RECORDSからのリリースになったことが作用しているのかどうかは知らないが、しかしある種の新鮮さはたしかに再獲得されているし、以前にも増して焦点の定まった印象がするなかに、高純度で高密度で高濃度な轟音がひっきりなしとなっていて、何はともあれ4曲目の「EVIL POWER」が最高潮に好き。いかしている。すなわち、アルバムのタイトル・トラックにあたるわけだけれども、その、ゆるく隙間の空くことを許さぬほどに硬質さのきわまった演奏は、様式の陥穽に陥ったヘヴィ・メタルのパターンを、解体、ではなくて、強調、しているようですらあり、一歩間違えれば、怠いばっかりの展開しかもたらさないのであったが、どっこい手数の多さにノイズの濁りを加えることによって、緊迫感をすさまじくし、過剰化、凶悪化することで従来のイメージをデフォルメ、上書きしている。ギター、ベース、ドラムのダイナミズムは力押し、そしてEVIL POWER! EVIL POWER!(イーヴォーパーワー! イーヴォーパーワー!)と連呼されるコーラス、ともしたら馬鹿馬鹿しくなってもよいはずの振る舞いが、いやいや、熱湯をぶっかけられたときのように、ぎょっときてしまうのだから、弱るよ。まさしくイーヴルな魅力にやられちゃうのであって、同じことはここに収められたすべての楽曲に対し、いえる。いずれにせよ、LAIR OF THE MINOTAURの禍々しいカタルシスに満たされているあいだは、どれだけ気に入らないことが立ち阻んでいてもへいちゃら、パワーを、ガッツを、不足したりはしない。

 『THE ULTIMATE DESTROYER』について→こちら
 『CANNIBAL MASSACRE』EPについて→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)
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