ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年04月23日
 Heavy Breathing

 とかくこの世は気に入らないことばかりなのだったが、ときどきはそういった諸々とうまくやっていけないもんだろうか、と思う。しかしうまくやれないや、と思う、結局のところ、うまくやっていく必要なんかねえんだ、と思う。うまくやっていけないから気に入らないのではない、気に入らないのでうまくやっていきたいくない、これはもちろんネガティヴな意見に相違ないのだけれども、くそでしかないものと和解することもまたくそである、そう振り切るほどに信じ抜き、腹を決めるかのような態度がやたらポジティヴに受け取れることがあり、はたしてパワフルでハイパーなパッションとエネルギーを彷彿とさせる。それにしても米ワシントン州シアトル出身の5人組、BLACK BREATHのサウンドときたらどうだ。昨年にリリースされた4曲入りのEP『RAZOR TO OBLIVION』には、いやはやこれはたまらない、激しく突き動かされるものがあったが、満を持してのファースト・アルバム『HEAVY BREATHING』にも、たとえ天地がひっくり返っても自分だけは覆らないぞ、と言わんばかりの太い芯が剥き出しなのであって、ハードコアとデス・メタルとロックン・ロールのマナーをミックスし、あらんかぎりアグレッシヴに出力していくスタイルは、ENTOMBEDやDISFEARのもっとも刺激的な箇所を受け継いでいるふうでもあるし、今回ツアーに帯同することになっているCONVERGEの近作ともかけ離れていないばかりか、同じくSOUTHERN LORD RECORDSに所縁のあるLAIR OF THE MINOTAURにも一脈通じている気がする。じっさい、バンドのメンバーは『EL ZINE』誌のインタビューで、影響を受けたアーティストの一つにENTOMBEDを挙げており、ヴォーカルがフェイヴァリットとして挙げているなかにL-Gペトロフ(ENTOMBED)やトーマス・リンドバーグ(DISFEAR)の名前を見つけられるのは興味深い。本作がレコーディングされたのはカート・バロー(CONVERGE)が所有するGOD CITY STUDIOSである。たしかに着想はまったくのオリジナルではないだろう。にもかかわらず何かのコピーであったりフェイクでは絶対にない。こう断言できるだけのインパクトがすばらしく、その轟音には備わっている。1曲目の「BLACK SIN (SPIT ON THE CROSS)」からしてもう、アクセルを大きく踏みっぱなし、鮮烈なドラムのアタック、2本のギターはヘヴィ・メタリックなうねりを上げ、重低音のぶいぶい利いたベースのラインと併走する。もちろんヴォーカルは雄叫びよろしく盛っている。それがかっこう悪いわけはないんだ、というスピードをフルに満たした楽曲が、中盤、テンポを落とし、ぶ厚いグルーヴのとぐろ巻く展開からふたたび加速していくさまに、自然と拳を握る。破竹の勢い、猪突猛進型の馬力がいかしたチャームではある。一方、インストゥルメンタルで構成された6曲目のタイトル・トラック「HEAVY BREATHING」や、スラッジやドゥームのごとき印象を引きずった9曲目の「UNHOLY VIRGIN」のように、スローでいて不吉な響きにも、ずぶずぶとはまっていく中毒性がある。要は、テンションの高さのみでは十分に判ぜられないポテンシャルが、端々にうかがえるのであって、しかしそれがソリッドに、容赦なく、乱暴なぐらいの豪快さで叩きつけられるとき、さっきまでのフラストレーションは木っ端、砕け散る。

 バンドのMySpace→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)
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