ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年04月14日
 United by Fate

 やっほう。燃えたし弾んだ。何はともあれ、である。RIVAL SCHOOLSのライヴを生で観るのは、おそらくこの日会場に集まったファンのおおよそと同じく、02年のサマー・ソニック以来のことなのだが、いやしかし正直なところをいえば、前回の公演はフェスティヴァルの一角だったこともあり、たしか良いパフォーマンスだったよね以上の記憶をなくしてしまっていたのだけれど、あらためてRIVAL SCHOOLS好きだわ、なんてグッドなヴァイブレーションを持ったバンドなんだろう、と言いたい。それぐらい魅力的なショーの内容であったよ。

 とにかくまあ、前提としては、01年にリリースされた傑作級のアルバム『UNITED BY FATE』の楽曲を、この2010年に、ふたたび、ライヴで聴けたのが嬉しい。GORILLA BISCUITSやQUICKSANDの活動で知られるウォルター・シュレイフェルズを中心に、イアン・ラヴ、キャッシュ・トルマン、サム・シエグラーの、それぞれ80年代から90年代にかけてニューヨーク・ハードコアのシーンと深く関わってきたメンバーによって結成されたRIVAL SCHOOLSが、そこに響かせていたのは、ポップでありハードでありメロディアスでありグランジィであるような、しごく良質のギター・ロックであった。どのナンバーも、3分の幅をベースに、エモーショナルと評してもまったく差し支えがないだろうね、な感動をとらえていて、今もなお古びてはいない。それらが時を経て、まさしく目の前で演奏されるのだから、びりびりくるものがあらあ。

 はっきりいって、四人が最初ステージにあらわれたときの印象は、ぜんぜんいかしていない。ベースのキャッシュに雰囲気があるぐらいで、あまりはっとしない佇まいのバンドである。演奏がはじまった段階でもそれは大きく変わらない。ギターを携えながらフロントに立ち、ヴォーカルをとるウォルターは、ひょうきんにはしゃいだおっさん、といったところであって、カリズマ云々に喩えられるものはいっさい見られないのだったが、しかしどうしたことか、パフォーマンスがじょじょに熱を帯びるにつれ、ああイメージに釣られるのとはまたべつのかっこうよさがここにはあるな、と思わされる。本質の部分で、がしっと胸を掴まれる。ギター、ベース、ドラムのアンサンブルが、楽曲を前面化させ、ウォルターの真剣な眼差し、必ずしも圧倒的なわけではないが、せつなさをたしかにせつなくのせる歌声がきっかけとなり、グルーヴの底に込められていた情景をひどく鮮明にしているので、いつの間にやら気を呑まれてしまう。

 当然といえば当然なのだけれども、セット・リストに『UNITED BY FATE』からのナンバーがふんだんであったのは嬉しかった。やはり、スローでダイナミックなバラードふうの「UNDERCOVERS ON」はパセティックなほど染みるし、やはり、鮮烈なギターのリフと重低音のリズムとが激しくも轟いた「USED FOR GLUE」はアンセムにも感じられるほど熱く。個人的には、準インストゥルメンタルな「HOOLIGANS FOR LIFE」が最高潮にフェイヴァリットで、あの、すべてが上昇の気流を巻き起こしていくかのような輝き、まばゆさときたら、たまらず、歓喜の声をあげたのだった。

 さらには合わせて披露されたいくつかの新曲がまたナイスな案配であって、おおこれはリリースが予定されているらしいニュー・アルバムにも期待せざるをえない、と思わされる。


posted by もりた | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)
この記事へのコメント
おお、もりたさんも来てらっしゃったんですか。

しかしウォルターはたたずまいからしぐさから、何から何までお茶目でポップで、NYHCなんつータフガイがタフさを競い合うようなシーンの中枢にいた人が、こう云う年の取り方を出来るもんなんだなと感嘆しました。

日本人がNYHCを語る際に決まって出る「ストリートの現実」的なマチズモの肯定は、案外当事者にとっては瑣末なことなのかもしれませんね。
Posted by フリジッドスター at 2010年04月18日 22:23
どうもおひさしぶりです。
同じライヴにいらっしゃっていたんですね。
たしかに、狭い範囲内でのみ有効であるようなポーズ(気どり)とはべつの、何か開けているような印象がつよく感じられたライヴでした。達観ともまた違う。もしかしたら、矜持というものが洗練されていくとあのような境地に達するのかなとも思わされました。
Posted by もりた at 2010年04月20日 17:43
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