ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年04月04日
 newbohemia.jpg

 まいったな。軽々しく傑作と口にすべきではないのだったが、しかしこれは傑作と言って差し支えがあるまいよ。フィンランド出身の3ピース、LAPKOの通算4枚目となるフル・アルバム『A NEW BOHEMIA』のことだ。08年の前作『YOUNG DESIRE』が個人的にジャストな内容で、すっかりと贔屓になってしまったバンドではあるものの、いやはや、それを上回りつつ、アグレッシヴ・メランコリーの何たるかをさらに聴かせてくれるのだから、諸手を挙げるよりほかない。サウンドは激しさを増し、メロディはなお印象的に、コンパクトなスタイルのなか、悲哀と高揚とが鮮やかなほどポップにめまぐるしくロックする。以前にも増してハードな触感がつよまり、また中性的な声質のヴォーカルも手伝って、90年代頃の、要するにストレートでグランジィなアプローチを採用していた時期のRUSHを彷彿とさせるところが大きくなった気がする。そしてそれが功を奏し、ドラマティックかつダイナミックな展開に魅せられるものも多くなったように思う。とりあえず、である。バック・グラウンドにスケールの広がりを演出、同時にトリオ編成ならではのスリリングな演奏を繰り広げる1曲目の「I DON'T EVEN KILL」で幕開け、ごつごつとしたリズムをともなってスピードを出していき、場合によってはTHURSDAYにも近しい衝動、轟音が強調された2曲目の「KING & QUEEN」へ雪崩れ込む、そのかっこうよさを耳にした時点でガッツ・ポーズをとったね。リード・トラックにあたる3曲目の「I SHOT THE SHERIFF」は、これぞLAPKOとでもいうべき旨みの詰まったナンバー、キャッチーでエネルギッシュな3分間にときめく。アルバム・タイトルでもある4曲目の「A NEW BOHEMIA」は、センチメンタルなメロディが魅力的である一方、コーラスに入ろうとする展開において、ドラムの猛烈になるさまがぐいぐいくる。前半はもちろん、後半にもナイスな楽曲が揃えられているのだけれど、7曲目の「PLEASE NEED ME」をハイライトに挙げたい。最高潮に好き。ミドル・テンポを基本に、低音はずっしりと重く、濃厚にグルーヴがうねるなか、きらきらとしたギミックの響きを得て、ソリッドなギターの切っ先が、題名どおりのフレーズが、どこまでもせつなく、鮮明にエモーションをシェイプする。一瞬、楽曲の冒頭に通じるかたちで、ラストを迎えたかを装い、その後、打音を重ねたエンディングを盛り込んだ構成も、なかなかに決まっている。スローなペースの6分間がそのまま、甘美な叙情を浮かび上がらせる10曲目の「SHARE TODAY」は、ひじょうに豊かな作品の、全体を締めくくるのに相応しい。『A NEW BOHEMIA』は、劇的なアルバムである。パセティックなアルバムであって、躍動にあふれたアルバムである。そうしたすべてに胸の打たれる。

 『YOUNG DESIRE』について→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)
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