ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年04月02日
 さくらガール 【初回盤】

 春に桜、といういかにも今日のJポップ的なアイディアは安易であるかもしれないが、いやしかしこれ、NEWSのニュー・シングルである「さくらガール」にあふれるポジティブなフィーリングには、この季節の陽光がそうであるように、心をすこし、軽く、あたたかくしてくれるものがあって、悲しい気分にばっかり浸ってちゃいかんぞ、と、つい思わされる。歌詞のレベルで見れば、恋人との別れ、しかもそれを切り出された立場をモチーフにしている以上、どうしたってせつないし、やるせない。けれどもアップ・テンポに弾んでゆくメロディが、そのさわやかさが、とりあえず前に進めるしかない足どりのまま、しっかり保とうとする意識を後押し、フレーズの一つ一つを感傷からすくい出しているのである。〈儚いから・綺麗なんだってさ・そんなこと灰色になった今・聞きたくないのさ〉こうした言葉のなかに込められたエモーションは痛々しい。そしてそこから導かれる〈さくらのような・君でした・春のような・恋でした・いつまでも・続いてゆくと・そんな気がしてた・風が吹いて・散るように・はらはらと・散るように・あの風が・連れ去ってゆく・舞って・待って・僕のさくら〉という願いも決して明るくはないだろう。だがそれはたぶん、寂しさに目をつむり、すべてを曖昧の裏側に隠してしまうのではなく、今はもうないものをたしかめ、逃げまいとする、言い換えるならば、寂しさを発見することの内に新しい感動を得、自分を腐らせないでおこうとするための手はずであることが、楽曲の上昇的なトーンによって証明されているのだ。ソング・ライティングとアレンジに関わっているヒロイズムは、08年のサード・アルバム『color』に収録された「FLY AGAIN」でも作曲を担当していた。あれもやはり、一定にリズムをキープした打ち込みの低音が心地好い一方、主題はメロウであり、にもかかわらずメンバーそれぞれの個性を出しながらカラフルにパートをチェンジするヴォーカル、ユニゾンは力強く、キャッチーなリフレインには励ましを手渡してくれるものがあった。そのマナーを、曲調は異なれど、ヴァリエーションを違えながら引き継いでいる印象が「さくらガール」にはある。ねえ君のことを忘れられないのはつらいけれども、その気持ちを忘れないことこそがこうして生きる線上で大切にしなければならないんじゃないかな。まるでそう言い聞かせているみたいな純粋さが胸を打つ。そして胸をえぐるのが、だ。初回盤と通常盤の双方に入っている2曲目の「あなたがとなりにいるだけで」である。松尾潔が作詞し、ジャニーズのファンにはお馴染みのShusui(周水)とスウェーデンのソング・ライターが手がけたバラードは、あんまりなほどに誰かがいっしょにいられなくては生きられないことをうたうラヴ・ソングなのであって、この手を離れていった奇跡や希望の価値に、ああ胸が苦しくなる。

 「恋のABO」について→こちら
 『color』について→こちら

 コンサート『NEWS WINTER PARTY DIAMOND』(12月30日・東京ドーム)について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | 音楽(2010年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック

NEWS/さくらガール(初回盤)のPV動画
Excerpt: 「NEWS/さくらガール(初回盤)」のPV動画を探してみました。
Weblog: PV検索/PV-SEARCH
Tracked: 2010-05-14 19:07