ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年03月27日
 Simple Pleasures

 大丈夫。大丈夫、たとえTHE HELLACOPTERSやBACKYARD BABIESが活動を休止してしまったところで大丈夫なんだぞ。思わずそう呟きたくなるようなロックン・ロールを聴かせているのが、ノルウェー出身の4人組、BLOODLIGHTSなのだった。上述した2バンドと縁の浅からぬGLUECIFERの元ギターが、メンバーを集め、06年に結成したグループであって、ここではヴォーカルもとっている。07年に発表されたデビュー・アルバムの『BLOODLIGHTS』では、痛快なロックとロールをびしばしと決めていたが、この今年リリースのセカンド・アルバムとなる『SIMPLE PLEASURES』でも、基本線は変わりなく、同時代的なギミックに頼らず、きわめてシンプルに、なおかつソリッドに、ギターのリフがぎゃんと高鳴り、アップなテンポで演奏が走り出せば、それだけでもう十分にかっこうのついた姿形をアピールしているのだから、そうそう、これ以上にいったい何が必要だったっていうんだ、と、勝手に盛り上がってしまう。複雑で高踏なサウンドはそれはそれでいて当然、えらい、けれども、1足す1が2のロジックが単純明快な強度を持っているのと同様、もっとずっと直感的に、あ、とくるものがある。わ、となるものがあるので、うずうずさせられるのだ。アグレッシヴな部分や音の厚みを計るなら、おそらくは前作のほうが上であろう。しかし、それらを薄く削いでいき、きめの細かな響きを際立たせているおかげで、力押しのGOを出すばかりではない、引きの美学を含むような色気が生じている。メロディのラインは意外なほどにキャッチーでありポップである。爽快なまでの親しみやすさ、ライヴ感と整合性とが、まさしくジャストのバランスで備わっている点に、GLUECIFERともTHE HELLACOPTERSともBACKYARD BABIESとも似て非なる個性を見つけられる。それこそ3曲目の、タイトル・トラックとなっている「SIMPLE PLEASURES」は、ハード目な2本のギターによって描かれるコントラストの、鮮やかな印象に、BACKYARD BABIESの「STAR WAR」を思わせるふしもあるのだったが、いやこれが、ある程度までスピードを落とし、メランコリックな情緒をつよくしながらも、黄昏に浸らないだけの熱を帯び、ぐんぐんガッツを高めてゆく、その、ひたすら魅力的なそぶりときたら。うんうん、ロックン・ロールってやっぱりいいよね、と言いたい。心地の好いロックン・ロールを耳にしていると、自然、元気がわいてくるものだけれど、このアルバムはちょうどそんな感じ、爛々として、嫌な感情をワキに除ける。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)
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