ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年02月27日
 姫剣 2巻 (ヤングキングコミックス)

 桑原真也のキャリアにおいて、相応のラストを迎えられたのは、結局のところ、初の連載作であった『0リー打越くん!!』ぐらいであって、いや『TO-mA』だって悪くはなかったよ、という熱心なファンもいるだろうが、佐木飛朗斗と組んだ『R-16』を含め、中途半端に終わらされてしまうケースの多いような気がする。だいたい『ラセンバナ』はどうなったの、ねえ。もちろんその原因をすべて、作者の力量不足に求めるわけにはいかないのだけれど、すくなくともトータルな完成度を極めることのできないマンガ家との印象が弱くはなく。反面、その、勢い、はったり、急展開をこしらえていく手つきこそが、桑原の真骨頂と見なせなくもない、か。とはいえ、『姫剣(ヒメハバキ)』である。わずか2巻で完結したわり、話にまとまりがなさすぎるよ、と思う。とりあえず、設定をやたらおおきくしておきながら、あまりよく生かされなかった。せっかく改変の許された古代を舞台に用意したのだから、もうちょい、荒唐無稽を貫いてもよかった。ヤンキー・マンガの作家にエントリーされてしまったことが、そのイディオムにいったん慣れてしまったことが、殺伐としたエロティックなヴァイオレンスと綱引き、インパクトを削いでしまったところがある。ヒロインであるサラと歌鹿の決闘は、両者の身体は女性でも、不良少年同士の牽制し合いみたいになってしまっている。それ自体が良いとか悪いとかではない。ただ、ファンタジーを題材にした作品の幅を必ずしもひろげていないので、もやもや、悔しさが残る。

 1巻について→こちら

・その他桑原真也に関する文章
 『ラセンバナ 螺旋花』(設定協力・半村良『妖星伝』)
  3巻について→こちら
  2巻について→こちら
  1巻について→こちら
 『[R-16]』(原作・佐木飛朗斗)12巻について→こちら
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