ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年01月21日
 おかわりのんdeぽ庵 5 (講談社コミックスキス)

 借金のせいで土地をなくす、という受難は、いつの時代にあっても物語を転がすのに適しているのだろう。なかはら★ももた(漫画)とイタバシマサヒロ(原作)の『おかわり のんdeぽ庵』は、この5巻で、二人のヒロインが細腕繁盛させている居酒屋「ぽ庵」の入った長屋に、立ち退き要求、さてそれを斥けるには1億もの金額を用意しなければならない、を、周囲の人びととの関わりとともに描きながら、完結している。ファミリー・レストランをチェーン展開する親に反発し、家を出、料理人となった菜々葉と、実家の酒蔵を再建すべく、修行、菜々葉に協力する穂波、彼女たちの素性を踏まえると同時に、その友情を再確認しつつ、物語はきれいに収まっていると思う。前作との関連性を高めているのもサービスとしては上々である。が、しかし、少々あっさり、クライマックスにいたってさほどドラマティックに感じられなかったのは、雰囲気といおうか、ストーリー・テリングのあり方に従った結果だと見られる。とはいえ、まあたしかに、そのような、軽さ、こそが本作の持ち味、魅力ではあった。つまり、わざわざ、といった変調を用意しなかったことに価値を与えることもできる。個人的には、だいぶテイストの違うエロティックな近親相姦劇『世界はひとつだけの花』をすでに完結させているなかはらが、『おかわり のんdeぽ庵』も終え、今後、どういうスタンスでマンガを描いてゆくことになるのか、けっこう高く買っているだけに気になる。楽しみにしている。

 3巻について→こちら
 2巻について→こちら

・その他なかはら★ももたに関する文章
 『あかねSAL☆』(原作・岡田惠和)
  4巻について→こちら
  3巻について→こちら
  2巻について→こちら
  1巻について→こちら
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