ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年01月21日
 正直なところ、今どきこんなに古くさいプロットをよくやる。山花典之の『ノエルの気持ち』6巻である。まあ、血の繋がらない兄妹が互いを意識しながら一緒に暮らす、このような初期設定自体がいかにも前時代的ではあるのだが、兄の尚人がかつていた『こひつじ園』が立ち退きを迫られ、その借金返済のため、フィギュアのスケーターとして活躍する妹のノエルは〈次のオリンピックで必ず金メダルを獲ること〉そして〈そのオリンピックの間出場するすべての試合で優勝し〉なければならない条件で、莫大な金額のスポンサー契約を青年実業家と交わし、もしも達成できなければ、彼との結婚を受け入れざるをえないというのは、さすがに見え透いている。もちろん、盛り上がるべき箇所はちゃんと押さえられているし、オーソドックスさのなかでこそ生かされている作者の良さはあるのだけれども、じつはそうした作風からしてハッピー・エンドになると約束されているのが丸わかりなせいで、いまいち、ぐっとこない。はたしてこの予想を裏切ってくれるだろうか。予定調和でしかありえない展開を必ずしも悪いとは言わない。もうすこし攪乱をつよめるだけの材料があって欲しい。もしかしたらノエルのパートを拡大し、スポ根の要素の高まる気配もあるが、ストーリーについた慣性、話の流れが大きく変わることはないと思う。

 1巻について→こちら

・その他山花典之に関する文章
 『オレンジ屋根の小さな家』7巻について→こちら
 『夢で逢えたら[文庫版]』第1巻 第2巻について→こちら


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