ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年02月21日
 ちぇんじ123 2 (2)

 月斗素子は、ふだんはボヤボヤとした眼鏡少女なのだが、その身に危険が迫ると、抜群の格闘センスを持ったべつの人格が現れ、体格も変化する。別人格は、1人ではなくて、「ひびき」「ふじこ」「みきり」の3人、あわせて「ひふみ」である。『ちぇんじ123(ひふみ)』という題名は、なるほど、そこからやってきているわけだ。そうした素子の秘密を知ってしまった、同級生で特撮オタク気味の小介川は、想いを寄せる主人格の素子ではなく、なぜか「ひふみ」たちのほうに好かれている感じで、思いがけず彼女たちをめぐるバトルに巻き込まれていくのであった。まあ設定としては、どっか使い古されたパターンに思えなくもないが、原作を担当している坂口いくの作風自体がもともと、ステレオタイプをステレオタイプとしてまっとうすることで、エモーションを発生させるもの、とくにうまくいった例が『闇狩人』であったことを考えれば、とりたてて批判すべき点には値しない、むしろこの場合、他のマンガ家の絵を使いながらも、よく特性が出せているとしたい。とはいえ、1巻の段階ではあまり物語に入り込めなかったのも、正直なところである。まあ、それはもしかすると僕の側の問題かもしれない。というのも個人的に、お色気的なファクターをフックとしては強く感じられないタイプの読み手であるからだ。なので、バトル要素の前面に出てきたこの2巻に関しては、けっこうおもしろく感じられた。絵コンテまでを坂口が手がけているので、どうとは言い切れないが、岩澤紫麗のタッチは、その肉感性を含め、アクションにメリハリのあるダイナミズムをもたらしているように思う。ぶっちゃけて、坂口よりも巧く綺麗な絵が、功を奏している。また、小介川と素子そして「ひふみ」たちのラブコメ・パートは、バトル面が身体の問題を扱っているなら、つまり精神の部分にかかっているといえ、そのあたりが物語の奥行きとなっている。ただ、その精神的支柱を為す小介川の、特撮ヒーローものから得た教訓、たぶん純真さみたいなものを指し示しているのだろうそれが、ディテールの一部に止まってしまっているため、どうして小介川が「ひふみ」たちに選ばれたのか、その意味合いが掴みづらい。選ぶよりも選ばれたいという、読者の願望を代替しているといってしまえば、それまでである。まあ、小介川の存在感がいまいち弱い、とも言い換えられる。3巻以降は、そこいらへんのバランス次第になるのではないかな。


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ(06年)
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漫画・雑誌レビュー:「ちぇんじ123 (2)」
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