ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2004年12月20日
 下巻に入ると主人公は海人から、上巻にも出てきたアナーキーな双子の姉妹、桜子と椿子へとスイッチする。上巻は中盤ぐらいから、男=抑圧=戦争VS女子供=解放=秩序みたいな、二項対立のシンプルな構図で動いていたが、もちろん、この世の理はそれほどシンプルではない。下巻では、女の子だけの武装集団パンプキン・ガールズを中心にして、二項対立のシステムを超乗することと、そのことの挫折が描かれている。あるいはシンプルに、桜子と椿子のふたりの成り上がりの物語としても読める。としたときに、これは、いわば海人の成り上がりを追った上巻と対を成していることがわかる。上巻では、海人は母親の仇を殺そうとする、下巻で、双子の姉妹はじつの父親を殺そうとする。そういった部分においても、見事な対となっている。そのことと関連して、タイトルに置かれた「裸者と裸者」とは何を指しているか。といえば、たとえば裸になったとき男と女は、その姿形が違うがゆえにひとつに交わることができる、が一方で、その姿形が異なるため互いを組み敷こうとしたりもする、そういう風に続いてゆく「永久戦争」のような相克だろう。しかしそのようなことであれば、姿形のまったく同じ双子だけが「邪悪な許しがたい異端の」存在として、この世の理の裏側を駆け抜けることができるといえるのであった。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書。
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