ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年02月17日
 旬 8 (8)

 これにて完結の高倉みどり『旬 味彩の匠』第8巻である。終わってみれば、かなり波瀾万丈なお話だった、というか、ストーリーの流れに一貫性がなかったというべきか。当初は、料理の才能を隠し持った少年が家業を立て直す式の内容であったのだけれども、そういった本筋からどんどん枝葉の部分へとスライドしていった感じがある。それというのは結局のところ、主人公の意識が物語を動かすのではなくて、主人公が状況に流されてゆく過程のなかで、物語らしきものが形成されていったからであろう。要するに、旬というキャラクターの、料理へ向かうモチベーションが、他人からの依頼をこなすといった部分以外に、いまいち判然としなかったのである。とはいえ、ここに収められたラスト・エピソードでは、ちゃんと自分が自分のために、美味しいものを作りたい、というところに着地している。丼ものにはじまり、丼ものに終わる、そのようなかたちで円環が閉じられたため、結果的に、そうなったともいえる。まあ出来上がったカツ丼うまそうだし、総体的にみれば、おもしろかったとは言い難いが、しかし後味の悪い印象を残すものではなかった。

 1巻〜4巻までについての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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