ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年10月29日
 Axe to Fall

 とにかく、アタマの4曲が強烈だ。最高潮に燃える。血気が盛んとはまさしくこのことかよ。初期の頃のイメージからすると、ぐしゃぐしゃに歪んだカオスのごとき想念は鳴りを潜め、かわりにヘヴィ・メタリックな構築性が増し、ひじょうに聴きやすくなった、ともとれるので、おや、と思わされるところもあるにはあるが、そこを含め、結局はその、音塊をぶんぶんと振り回すような勢い、アグレッシヴなアプローチに圧倒されてしまうのである。ねえおまえさん、おまえさんがねえ、しょげたり、愚図ったり、うんざり、膝を折りそうになって、いっそのこと粉砕の衝撃に何もかもを忘れてしまいたくなるとき、まあこれを耳にしたまえよ。と、CONVERGE(コンヴァージ)の通算8作目となるニュー・アルバム『AXE TO FALL(アックス・トゥ・フォール)』は、そうしたオーダーにちょうど答えているみたいだった。すでに述べたとおり、アタマの4曲によって、ほとんど作品のインパクトは決定されている。ハイ・スピード、高速で繰り出される重低音、矢継ぎ早な展開、のっけから扇情性をフル出力する「DARK HORSE」、ぎりぎりの緊張でスリルをつよめる「REAP WHAT YOU SOU」、激しいモッシュ・ピットを想像させる「AXE TO FALL」、瞬くギターのノイズが鮮明な「EFFIGY」、テンションというか、集中力を一点に張ったナンバーが連続するのだけれど、どれも同じパターンには陥っておらず、細やかなヴァリエーションのなかで、個々の存在感をアップさせながら、途切れることもなしに急襲をかけてくるのだから、たまらない。息つく間も与えてはくれないほど。アドレナリンの値をがんがんあげる。そして特筆すべきは、ベン・コラーのドラムだろう。たとえばそれは、SLAYERの傑作においてデイヴ・ロンバードの叩きっぷりが象徴的な印象を持っているのに似て、各曲のヴァリューを高めている。すばらしくパワフルな打撃が、躊躇いもなく、修羅の道に立ち塞がるぜんぶを薙ぎ倒してゆくのである。しかし過剰なクライマックスの連続は、ドゥームを装ったスローで摺り足の「WORMS WILL FEAD / RATS WILL FEAST」を5曲目に迎え、いったん食い止められる。これ以降、スピードとエネルギーをたんなる加算式に積み重ねるばかりではなく、度々、意識の暗がりを深く掘り下げるかのようなセクションを設けながら、アルバムは構成される。そうした局面が一種のバランスとなって、作品の全体像には、今までになかったぐらいのまとまりがある。まとまりがあるというのが、CONVERGEにとって褒め言葉になるかどうかはわからない。が、アタマの4曲は、やはり刺激的、舌を巻かざるをえない。もちろん、6曲目の「WISHING WELL」を筆頭とし、後半にもハイパー・アグレッシヴなナンバーが揃えられている。しかし、このバンドならではのすさまじさが、まぎれもなく実感されるのは、冒頭だ。幕を開けたとたん、いっさいを灰燼に帰してしまうつもりか、轟々と灼熱があふれ出す。あたかも絶望に達しそうなフラストレーションが凝縮され、翻り、うなっているんだ。と思いながら、身を乗り出す。

 『NO HEROES』について→こちら
 『YOU FAIL ME』について→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(09年)
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