![りぼんファンタジー増刊号 2009年 11月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61ub%2BH0RzYL._SL160_.jpg)
編集者は違うのだろうが、同じ集英社から出てきたアイディアなのだから、もうすこしひねりを加えて欲しかった。あるいはこういう作品が少女マンガの文脈に置かれることに意味があるのか。『りぼんファンタジー増刊号』に掲載された牧野あおいの『HAL-ハル-』は、端的にいって、かの『デスノート』を簡略化したヴァリエーション以外の何ものでもない。主人公は、他人を見くだしているだけの凡庸な女子中学生に置き換えられ、何かしらのアイテムを媒介するのではなく、死神が直接に願い事を叶えてしまう。こうしたプロットにおいては、ミステリの要素や頭脳戦のスリルは省かれ、子供じみた他愛のない欲望だけが、教訓めいた結末を与えられることで、処置されてしまう。決して悪いお話ではないのだが、扉絵のデザインや作中の構図からうかがえるとおり、『デスノート』を下敷きにしていることはあきらか、大勢の目に止まったら叩かれそうなリスクを冒してまで発表するほどの内容になっているのかは、疑わしい。最初に述べたことの繰り返しになるが、せめてもうすこしのプラスαがあればと思う。
