ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年10月19日
 ジ・ウィンドアップデッズ

 洗練されたメロディはあまりにもたくさんあって、たとえば「美メロ」なるキャッチ・コピーを目にしただけで白けてしまう時代を生きられることが、はたして幸か不幸かは知れない。が、触れたとたん自然と心が開かれてしまう旋律というのは、たしかに、ある。それこそ自分にとっては、スウェーデン出身の4人組、THE WINDUPDEADS(ジ・ウィンドアップデッズ)のファースト・アルバム『THE WINDUPDEADS』によって聴かれるサウンドなどが、まさしくそう。パセティックにしなり、ドラマティックにうねり、適度なハードさをもって響くバンドの演奏、展開はストレートだけれども、音色は暗がりをつくりながら、ひずみ、センシティヴであると同時に端整なヴォーカルが、キャッチーともとれるラインを起伏させる。おそらくはTRAVISやCOLDPLY、初期MUSE等のブリティッシュ・メランコリーに通じるところのあるエモ系のアプローチと解釈してしまっても構わないだろう。だがやはり、先達にはKENTがいて、さらにはLAST DAYS OF APRILがいて、というスウェディッシュ・メランコリーの新しい系譜であるような感慨がつよい。とはいえ、それらに比べると大味にも受け取れるからか、個人的には、バラード・タイプのナンバーよりも(いやいや決して悪くないのだが)、ポップな印象のなか、躍動する調子を前へ後ろへ、胸騒ぎのせつなさを高鳴らせたナンバーのほうに抗えないものがある。4曲目の「THE END」が、最高潮に好き。2曲目の「OPTION」や6曲目の「NO DENIAL(MURDERER)」、9曲目の「REVERSE SHADE」もよい。それから11曲目の「NO ACTION NO REGRET」、タイトルどおり、素朴にひねられたクリシェが屈折した心境をあらわしているにすぎないのだが、しかし、コーラスがそれを繰り返すたび、不思議と昂揚してくるし、奏でられる叙情は、瑞々しく、クライマックスへさしかかって、哀切を振り切るほど勢いをよくしてゆくアンサンブルに、思わず共鳴する。

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posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(09年)
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