ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年10月01日
 エンドゲーム

 それこそ『ロッキング・オン』10月号(先月号ね)、遠藤利明のレビューにおける〈タイトルは『エンドゲーム』だが、デイヴにとってのメガデスはエンドレスゲームなのだ、と実感する〉という一節が、レトリックにほかならないとしても、じつに奮っているし、決まっている。また、日本盤のライナー・ノーツで、前田岳彦の〈これでもまだ納得出来ないファンは、そろそろMEGADETHの許を立ち去った方がいいかもしれない〉といっているのも、おべんちゃらではないのだろう。自分にとって、MEGADETH(メガデス)というバンドはもう、昔好きだったアーティスト、以外の何者でもなくなっていたのだが、いやしかし、活動が続いていればこういうこともあるのか。通算12枚目となるアルバム『ENDGAME(エンドゲーム)』は、超超超超ひさびさにエキサイティングな一作であった。もしかしたら94年の『YOUTHANASIA』以降、もっとも冴え渡った内容だとさえとれる。とにかく、ヴォーカルのメロディには、キャッチーといってもいいようなフックが備わっており、ツインのギターによる盛りだくさんなソロ・パートが、各楽曲の印象を深く、するどく、鮮やかなインパクトに変えている。基本は、あくまでもヘヴィ・メタル、スラッシュ・メタルの様式に則ったサウンドであって、キャリアの再生産的な部分はすくなくないものの、種々のエッセンスには、轟々と押してくるエネルギーとパワーとが満遍なく、漲っているのである。中心人物であるデイヴ・ムステインに対し、まだまだやれんじゃん、と思う。かつてのマーティ・フリードマンがそうであったように、新しく加わったクリス・ブロデリックのプレイが、多くのインスピレーションをもたらした可能性も高い。ギター、ギター、ギター、スピードをあげさげ、抑揚をつけてゆく展開のなか、特徴的な場面のほとんどは、デイヴとクリスのギターが奏でるハーモニーによって、はげしくきらめている。クリアな音響を指向するため、どうも豪快な面を削いでしまうように感じられるアンディ・スニープの仕事(プロデュース、ミックス)も、ここではMEGADETH本来のソリッドさを際立たせるほうに貢献していて、アルバム全体の構成もよくできているが、なかでも個人的にフェイヴァリットなナンバーを挙げるとすれば、3曲目の「44 MINUTES」がそれにあたる。楽曲の終盤でギターのソロ合戦になる4曲目「1,320'」もたしかにかっこういいし、9曲目の「HEAD CRUSHER」みたいなピッチのはやいチューンにこそ本質を見るべきなのかもしれないが、こういう、ヘヴィなグルーヴをばきばきうならせ、キャッチーなリフレインを込めてゆくアプローチには、不思議と掻き立てられるものがある。MEGADETHならではの閃きがある。綱渡りの不安で逆にテンションをおさえきれなくなるのにも似たスリルがある。

 『THE SYSTEM HAS FAILED』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(09年)
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