ENDLICHERI☆ENDLICHERI(エンドリケリー・エンドリケリー)=堂本剛くんのニュー・シングル『ソメイヨシノ』であるが、やあ、こいつはちょっと微妙じゃなかろうか、と思うのは、一聴して、楽曲が大きなフックによって引っ張られているわけではないことに気づくからで、何度か繰り返さないとその輪郭を掴むのが難しい。わかりやすいコーラスを進捗の基準にするのではなくて、伴奏の凝った拡散性を目指すつくりは、なるほど、アルバム[si:]の方向性を汲み取ったものだといえるだろう。たしかに、上田ケンジが編曲を担当し、Asa-Chanなどが参加したカップリング「濡れ鼠」における、ブラス・パートとギターのせめぎ合う、その緊張は、ひとつの聴きどころではある。しかしなあ。もしかすると、ミスター・チルドレン『深海』の椎名林檎『加爾基 精液 栗ノ花』的解釈に収まってしまっているといえなくもない指向は、やはり抽象的にすぎる嫌いがあり、堂本の強く声を張るヴォーカルとのマッチングは、それほど功を奏していない感じがした。ちなみに僕は、1曲目と2曲目のインストゥルメント・トラックが3曲目、4曲目に配された初回限定盤を購入したのだけれども、バックの演奏に興味のないタイプの人間には、ここに収録されていない「Blue Cherry」の入った通常盤のほうがあきらかにお得である。またスペシャル・ジャケットといっても、写真が豊富なわけでもないのだった。
『ぼくの靴音』についての文章→こちら
[si:]についての文章→こちら
ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年02月03日
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トラジ・ハイジ(だっけ?)やって突き抜けたとかは特にないのね。
因みに私は通常盤買います。
雰囲気は嫌いじゃないんだけれど、曲自体は印象薄いかなあ、と。