ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年01月27日
 いくえみ綾のつもりがきらたかしになってしまったかのような絵柄がキュートであるかどうかは僕のセンスでは判断できないが、お話は、なかなかにキュートであった、高野苺の短編集『愛し金魚』である。とくに表題作が、切ない。その切なさは、気持ちが通じるかどうかといった段階以前の片想いではなくて、気持ちの通じることが悲恋に終わる結末からやってきている。男性が主人公になっている「星のロマン」などにしてもそうなのだが、「泣く」といった行為に焦点をもっていくことで、端的に表されたエモーションが、物語の落としどころになっている。また、作者が長野在住というのが関係しているのかどうかは不明だけれども、ヤンキー的というか尾崎豊的というか、そういう郊外風の世界観と親和性の高そうなあたりを、ある種の個性として捉えることもできる。描き下ろしである巻末の「愛し金魚」のプロローグ(エピローグ)に、ひどく胸が痛むとすれば、それはやはりそのベタな語り口に、こちら読み手の心情が抗えないからであろう。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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