鹿賀ミツルの『ギャンブルッ!』は、この11巻で完結した。連載当初はてっきり、あらゆるギャンブルのまったく合法化された世界という設定を生かし、ロジカルでゲーム性の高いエンターテイメントをやっていくのかな、と予想されたのだけれども、結局、アンダーグラウンドの人間が生死を賭けて騙し合うような、こうしたジャンルの性質上とくに目新しさのない内容となってしまったのを、すこし残念に思う。まあ、基本的には少年マンガの作品だから、ある程度のわかりやすいダイナミズムが必要だったのかもしれず、各人の人間性を掘り下げたり、ドラマを盛り上げていくための、テコ入れに近しい措置であった可能性も考えられるが、決してうまくいってはいなかったかなあ。陰謀たくましいヤクザやマフィア、ギャング、殺し屋たちの、代理戦争としてギャンブルを存在させてしまうのは、むしろ、ステレオタイプ性を高めるだけであっただろう。物語の最後は、法律や倫理の上位で機能するギャンブルが、国家間の戦争すらも代替しうる可能性を示唆し、スケールをひろげるだけひろげて、終わっている。個人的には、こういう『少年サンデー』の系にしばしば見られる素朴な政治観が、すこし苦手である。わざわざ入れなければいいのに。そのことも含め、どうして設定自体を特殊にしておきながら、平凡な個人(もちろん、能力的には天才であってもいい)の単位で、ギャンブルを、そしてマンガを成立させられなかったのか、やはり、この一点が作品の限界と重なってしまっているふうに感じられもする。
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