ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年06月16日
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 残念ながら「SIGNAL」を聴くことは叶わなかったが、しかし「YOU」をやってくれたのがうれしかったな。〈あなたのために生きていいかな〉という印象的な問いかけを、やわらかなビートに乗せ、伸びやかなメロディで彩ったナンバーは、「SIGNAL」がそうであるのと同様、KAT-TUNの、もしかしたらありえたかもしれないもう一つの方向性を、想像させる。結局、そのような清潔感のつよいシティ・ポップスの路線を採らず、バッド・ボーイズのイメージ(もしかすればオラオラ系ってやつだろう)をまっとうするのに適したハード・ロックを、グループのおもな持ち味にしてきたわけだが、それも現在は、一般のレベルに対する訴求力を見るに、やや頭打ちの感があり、今後の活動を模索していくうえで、違ったステップを踏むために必要なヴァリエーションとして残しておいてもいいことを、あらためて実感する。

 しかしまあ、どれだけのスペクタクルだろうが、同じ仕様のコンサートを何度も体験すれば、さすがに興奮も薄まるだろう、と思っていたのだけれど、いやいや、そんなことはなかった。イントロにうながされ、無数のジャニーズJr.が縦横に並ぶ巨大なセットが、どどーん、と登場するオープニングを目の当たりにしたとたん、圧倒され、ふたたび、めくるめくエンターテイメントの最中へと召喚されてしまうのだった。

 東京ドーム10日間公演、記念すべき最終日となった昨日(6月15日)のそれも、基本の構成は、5月のときとおおきく変わらないが、記録的なステージをこなしてきた余裕か貫禄か、ファン・サービスもしっかり、その様子は堂々としたところが増しているふうにも受け取れた。嫌がる中丸くんにバンジー・ジャンプをさせる余興がなくなったおかげだろう、へんに中だるみしてしまうことはなくなっていたし、たしかに個々が責任を持っているソロ・タイムの緊張に比べ、6人が揃ってのパフォーマンスは、あいかわらず、どこかルーズではあったものの、いやいやそれこそKAT-TUNという着地点が会場中に共有されているので、必ずしも悪手にはなっていない。とはいえ、もしも無謬の完成度でこれをやり遂げたとすればどうなってしまうのか、あともう一歩先が知りたくなってしまう。

 バンジー・ジャンプのかわり、中丸くんによるヒューマン・ビート・ボックスのコーナーが設けられたわけだが、そうそう、これがよかった。中丸くんの素養、ひいてはグループの音楽的な資質の生かし方としては、まったく正しい。たとえば、最初に述べたことと重なるのだけれども、赤西くんのソロ・ナンバーである「WONDER」のような洋楽指向の楽曲に、田中くんのラップも含め、こういう部分が合わさっていったとしたら、驚くべき新展開もあるのではないか、と待望させる。いずれにせよ、バンジー・ジャンプがよっぽど耐えがたかったんだろうね、MCの調子からして中丸くんがたいへんリラックスしているのが如実に伝わってきたのは、ショウの全体においても確実にプラスだったんじゃないかな。

 過去にも述べたとおり、クライマックスに選びたいポイントはけっこうあるのだが、サポートに従えたA.B.C-Zの「Vanilla」とKis-My-Ft2の「FIRE BEAT」を挟んで、過去の映像を流しながら、デビュー曲の「Real Face」に入っていくくだりも、あんがい、好き。後輩であるKis-My-Ft2が激しいギターに合わせて〈壁を蹴飛ばすんだ / 夢を引きずりだせ / いますぐ手に入れるんだ〉とうたう「FIRE BEAT」は、あきらかに「Real Face」における〈ギリギリでいつも生きていたいから / ここを今 / 飛び出して行こうぜ / このナミダ・ナゲキ→未来へのステップ / さぁ / 思いっきりブチ破ろう〉という躍動のなかに迸る若気と通じるものがある。そういえば、「Real Face」の、JOKER(田中くん)のラップ・パート、前半はこのあいだと同じく亀梨くんへのパスだったので、じゃあ後半はやっぱり田口くんに振るのかい、と油断していたら、違った。マイクを向けられたのは、中丸くんである。だが、まさかのアドリブだったのかしら、当の中丸くんもまるで驚いた様子であって、あたふたトチってしまったのも、らしい、といえば、らしい、のだろう。

 じっさい、そういうファニーなモードのまま、亀梨くんが担当したという日替わりのセット・リストに入っていき、「I LIKE IT」や「離さないで愛」など、初期の楽曲が次々披露されはじめると、前半のシリアスな雰囲気とは異なる賑やかさに、会場中がはしゃぐ。途中で、亀梨くんがテレビ・カメラを肩に担ぎ、他のメンバーの、どアップな表情をバックのスクリーンに映し出すたび、声援はすさまじく、盛り上がるばかり。後半のステージに十分な勢いをつけた。

 本編のラストをバラードで送る「NEIRO」の、深々とした余韻のあと、アンコールも等しく、アップ・テンポなナンバーが続くなか、オーディエンスとの垣根をなるたけ崩してゆくような振る舞いが、客席を煽った。赤西くんなんて、わあわあ沸くアリーナのど真ん中をショート・カットして歩きながら、ファンにタッチしたりされたりしてたもんな。あれは羨ましい。赤西くんが目の前にきたら、そりゃあ嬉しいだろうよ。やばい。自分だったら眩暈してしまうかもしれない。かくして熱狂は渦巻き、我らがアンセム「ハルカナ約束」と、さらには〈頑張ってる君の目が / 世界中に輝いて / 未来さえ変えてゆく / 今ここで〉という励ましが、高らかなコーラスとなって響き渡り、掲げられる「Will be All Right」で、すべてのショウの幕は閉じられたわけだが、結論をいうなら、うん、とても楽しかった、の一言に尽きる。

 だからまたいつかいっしょに、終わりのない日々を経て、ささやかな、名もない遙かな約束を刻める日を待ちましょう。

 5月22日の公演について→こちら
 5月18日の公演について→こちら

 『Break the Records -by you & for you-』について→こちら
 「RESCUE」について→こちら
 「ONE DROP」について→こちら
 「White X'mas」について→こちら
 『KAT-TUN III - QUEEN OF PIRATES』について→こちら
 「DON’T U EVER STOP」について→こちら
 「LIPS」について→こちら
 「喜びの歌」について→こちら
 『Cartoon KAT-TUN II You』について→こちら
 『Live of KAT-TUN “Real Face”』DVDについて→こちら
 「REAL FACE」について→こちら

 DVD『KAT-TUN LIVE TOUR 2008 QUEEN OF PIRATES』について→こちら

 コンサート『KAT-TUN LIVE TOUR 2008 QUEEN OF PIRATES』(08年8月5日・東京ドーム)について→こちら
posted by もりた | Comment(2) | TrackBack(1) | 音楽(09年)
この記事へのコメント
すみません、初めてお邪魔いたします。
KAT−TUNは6人ですよね。
Posted by kakko at 2009年06月16日 21:15
kakkoさん、コメントありがとうございます。

書き直した箇所のことだと思うのですが、たしかに誤記しておりました。申し訳ございません。
Posted by もりた at 2009年06月17日 18:31
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