ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年05月27日
 やまもり三香『シュガーズ』の1巻を読みながら、思い浮かべたのは、たとえば、いくえみ綾、海野つなみ、ジョージ朝倉といったオムニバスの名手とでもいうべきマンガ家たちであった。じっさい、直接的にか間接的にかはともかく、多少なりの影響はあるに違いないが、ここで誤解を避けておきたいのは、それはあくまでも作風のイメージを指しているにすぎないのであって、決して今しがた挙げたようなマンガ家の作品群に匹敵しているという意味ではない。とある高校を舞台に、登場人物たちが入れ替わり、いくつかの恋愛模様を描く内容は、正しく連作ふうの趣を持っているのだけれども、そのほとんどが一対一の目線を交じらせることによって充足し、内向きのベクトルしか帯びていないため、きわめて単層的、いや、たしかにピュアラブルなラヴ・ストーリーとしての完成度は高いが、それ以上にはなっていかない、つまり、群像劇としての構成要素は薄く、青春グラフィティとしての奥行きには欠けるのである。もちろんそのあたりの、要するに物語性の総和であるよりも個々の設定(いわゆるキャラクター等々)を前面化しているつくりは、作者の指向を忠実に再現しているのかもしれず、読み手の好みにおいて判断がわかれるところであろう。しかし、やはり、一話目(SWEET[1])や四話目(SWEET[4])のような、三者以上の目線を背景に感じさせ、ストーリー自体に膨らみが出ている篇のほうが、ぎこちなさはあるものの、他に比べて、印象が濃い。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(09年)
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