ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年01月21日
 12歳からの読書案内

 たいていの場合、読む必要のないものを読んでしまったときほど腹立たしいこともなく、まあ自業自得であるゆえに、筋違いの憤りには違いないとしても、僕にとってはまさしくこれがそうであった。『12歳からの読書案内』は、いわゆるライトノベルも含め、ヤングアダルトの範疇に入る本のなかでも、とくに推薦に値する100冊をガイドしたものであり、おそらく数名の選者が自分のチョイスしたものを担当して、紹介を書いているのだけれども、正直、何をもってそれを推すのかが、文章からは読み取れないのであった。つまり、相対的な評価がすっぽりと抜けている。だいたい、保坂和志や町田康、松尾スズキ、水村早苗が、桐野夏生が、なぜヤングアダルトなのだろうか。謎である。いや、アダルトチルドレンというのなら、わからない気がしないでもない。もちろん、べつにここではヤングアダルトに限って取り上げているわけではありませんよ、そういうジャンルにこだわらず、中高生たちに読んで欲しいものを取り上げているのです、といわれれば、ああそうだったのですか、と了承したいところではあるが、しかし、ではなぜ、金原は「まえがき」と「あとがき」のなかでヤングアダルトなどというのであろうか。やはり謎である。いやいや金原は「あとがき」で〈子供が親や教師に読ませたい本の案内としても読める〉といっている。が、ねえねえお母さん、これおもしろいよ、などと言って、親に蘇部健一『六枚のとんかつ』を薦める子供は、僕はちょっと、嫌である。あと安竹希光恵という人はストーリーを割り過ぎだ。いや、個人的にはそれを絶対悪だとは思わないのだけれども、時と場合による。舞城王太郎『世界は密室でできている。』のような、ミステリの要素を含むものに関しては、あきらかに書き過ぎである。だいいち、おおまかなストーリーの流れは同じ枠内にちゃんと用意されているではないか。なぜ改めてストーリーを紹介しなければならないのだ。字数が埋められないのであれば、こういう仕事は引き受けるべきではないし、そのことを聞かされていない、あるいは、指摘されなかったのだとしたら、編集者が悪い。総じて、グダグダの印象である。

 『大人になれないまま成熟するために』についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(06年)
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