ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年05月02日
 Break the Records -by you & for you-【初回限定盤】 Break the Records -by you & for you-【通常盤】 

 つくづく『KAT-TUN III -QUEEN OF PIRATES-』は傑作であった。越える作品をつくるのは難しいのではないかと思わされるほどであった。しかしその後、「White X'mas」に、「ONE DROP」、さらには「RESCUE」と、すばらしいインパクトのシングルが連発されたので、もしかしたらKAT-TUNならやりうるかもしれない、次のアルバムは『KAT-TUN III -QUEEN OF PIRATES-』を越えてしまうかもしれない、と予感させられる気持ちがあった。

 はたして、『Break the Records -by you & for you-』は、そうした期待に応えるものであったか。結論からいえば、前述したシングルに「DON'T U EVER STOP」を含め、一曲一曲の単位は、『KAT-TUN III -QUEEN OF PIRATES-』に匹敵している、いや、凌駕さえしているやもしれぬ。だが、作品をトータルで測るならば、『KAT-TUN III -QUEEN OF PIRATES-』のほうに分がある。全体のバランスよりも、ハイなパワーの楽曲をとにかくワン・セットにパッケージすることを優先させているかのごときは、06年のファースト・アルバム『Best of KAT-TUN』が持っていた性格に近しい。

 まず前半に、ゴージャスなタイプの、同じような質感、プロダクションの楽曲が、立て続けに並べられているため、ともすれば一本調子になっており、後半に、メンバー各人のソロ・ナンバーをまとめて配置していることが、逆に、焦点の定まっていない、散漫とした印象を与えるに至る。すなわち、こうした構成の面に関し、いくらかの難を覚えるのだけれども、しかし、である。すでに述べたとおり、一曲一曲の単位で考えるならば、その内容は十分に濃い。

 いきおいよくアルバムの幕を開ける「DON'T U EVER STOP」に続く、2曲目「SADISTIC LOVE」の 、デジタルにロックしている演奏のなか、メロディは妖艶で刹那的なドラマを描き出し、田中くんを中心にして総員、ひじょうにエロティックな語彙のラップを演じるくだりを経、じょじょにテンポをアップ、走ったままカタルシスに突っ込んでゆくところに、このグループのコントラストがとてもよく出ており、クライマックス、赤西くんと亀梨くんのハーモニーも、抜群に決まっている。スローなペースの4曲目「WATER DANCE」は、リフレインの魅力的な応用によって、静かに盛り上がる。3曲目「ONE DROP」と5曲目「RESCUE」の、ホットでありヒートなテンションは、もはや言うに及ばないだろう。

 6曲目以降に持ってこられたソロのナンバーは、それぞれに特徴的な工夫が凝らされ、どれもが意外なほどのヴォリュームを感じさせる。個人的には、9曲目、ラウドでアグレッシヴな田中くんの「PIERROT」が、いささか英語詞がクリシェすぎるとはいえ、そこもそこで燃えるし、11曲目、ジャズ・ピアニストの小曽根真を招いた田口くんの「WIND」に、へえ、と驚かされるような新鮮さがあったのだけれども、8曲目、亀梨くんの「1582」が、いちばんのフェイヴァリットである。タイトルが何を意味するのか、寡聞にして知らないが、中世的な吸血鬼のイメージか、シアトリカルな、どこかバロック・ミュージック的なアニメ・ソングを思わせる曲調へ、儚いような心象が託されている。

 バンド・サウンドで送られる12曲目「君道」の、軽やかなギター・ロックは、前作でいうなら「un-」の位置、いま、ここ、での瑞々しさ、若々しさを、溢れ出さすパレードだろう。14曲目の「White X'mas」は、アルバム・ヴァージョンになっており、シングルの版にはなかった田中くんのラップが挿入されている。ここでのそれはしかし、まるで女性シンガーと組んだときの男性ラッパーのささやきであって、とくに個性的なアプローチにはなっていないのを、いささか残念に思う。初回限定盤のラスト、「NEIRO」は、ストリングスに彩られたバラードで、まさしく感動的なフィナーレを飾るのに相応しい。

 そして通常盤では、その後に収められている「MOON」が、ここにきて、ヘヴィ・メタリックなモードを全開にしたミドル・テンポであった。クレジットを確認してみたら、リズム隊が、ビリー・シーンとジョシュ・フリーズじゃねえか。どおりで。琴の旋律をイントロにし、するどいギターに交えながら、はげしいグルーヴがうなる。これぞKAT-TUNとでもいうべき、せつなかっこういいイメージが、フルに出力されたナンバーであって、拳握るほどに漲る滾る。

 「RESCUE」について→こちら
 「ONE DROP」について→こちら
 「White X'mas」について→こちら
 『KAT-TUN III - QUEEN OF PIRATES』について→こちら
 「DON’T U EVER STOP」について→こちら
 「LIPS」について→こちら
 「喜びの歌」について→こちら
 『Cartoon KAT-TUN II You』について→こちら
 『Live of KAT-TUN “Real Face”』DVDについて→こちら
 「REAL FACE」について→こちら

 DVD『KAT-TUN LIVE TOUR 2008 QUEEN OF PIRATES』について→こちら

 コンサート『KAT-TUN LIVE TOUR 2008 QUEEN OF PIRATES』(8月5日・東京ドーム)について→こちら
posted by もりた | Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽(09年)
この記事へのコメント
もりたさん、初めまして!
いつも拝見しています。
今回のアルバムについて共感することが多く思わずコメントさせて頂きました。
私も作品としてのクオリティは、やはり前作の方が高いと感じました。
あのアルバムは本当に傑作でしたよね〜。
なんですが今作はもりたさんも書かれているように各曲の濃さが半端じゃなく、
個人的にはすごく好きなアルバムになりそうです。

6人全員での楽曲をもっと聴きたかったのが正直なところですが…
私も最もお気に入りのソロは「1582」です。
デビュー後の亀梨君のソロでは初めて「来た!」と思いましたよ。
ちなみにタイトルの「1582」は戦国武将、織田信長に関係しているみたいです。

もりたさんは東京ドームの連続公演は観に行かれるのでしょうか?
私は行く予定でいるので、今からどんなパフォーマンスになるのかとワクワクしています。
KAT-TUNは音源を聴くだけでも素晴らしいんですが、
個人的にはライブを見ると更に好きになる曲が多いので…
もし行かれる予定でしたら、ライブのレポートも楽しみにしています!
Posted by EXtina at 2009年05月02日 21:41
EXtinaさん、コメントありがとうございます、はじめまして。

いや前作が傑作すぎるだけであって、今作もけっこう繰り返し聴いているぐらい、好きです。とにかく一曲一曲が、どれを取り出しても、すばらしくかっこういい。ただもうちょい、ストレートで軽い雰囲気の曲が揃ってれば良かったな、と思います。最近は「SIGNAL」のような曲が恋しいです。

「1582」は、上のを書くときに調べたら、本能寺の変があった年なので、もしかしたらと思いました。それで、織田信長と森蘭丸のラヴを、キリスト教と縁深かった信長にかけて、吸血鬼のテーマに翻案したのかと妄想したほどです。亀梨くんが、コンサートではこれをどういうふうにパフォーマンスするのか、ひじょうにわくわくする。

東京ドーム、行きます。
5月のは2日間チケットとりました。
6月のにも臨むつもりです。
どんだけKAT-TUNが好きなんだ、って感じなのですけども、もう今から楽しみで仕方がありません。
Posted by もりた at 2009年05月02日 22:42
もりたさん、こんばんは。
コメントレス有り難うございます〜!

>最近は「SIGNAL」のような曲が恋しいです。
それは思いますよね。アルバム出す度にカラーが違うので、次回作はまたそういった曲も入れてくれると信じてみます。それにしても今作はやっぱりかっこいい!聴けば聴くほどに好きになってきました。個人的に「WATER DANCE」がじわじわと来てます。「1582」に関してはもりたさんの解釈が素晴らしすぎて、ますますお気に入りです。

そして、Twitterを拝見したのですが明日ドーム行かれるのですね。私は最終日まで連日ドーム通いです。ジャニーズを好きになるのはKAT-TUNが初なのですが、こんなにもハマってしまった自分に笑えます(^^;)中の人ももちろん好きなのですが、曲が本当に好き過ぎるので、日替わり曲があったら一生後悔する!という理由で全ステを決めました。KAT-TUNの音楽について熱く話せる方が全くいないため会場でお会いしたいくらいですよ〜。明日は中継も入るようですし、楽しみましょう!
Posted by EXtina at 2009年05月18日 02:23
EXtinaさん、コメントありがとうございます。

そうそう、もう今日になりますが、行きます。東京ドームに。なんだかまるで恋をしているかのように朝からそわそわしております。

KAT-TUNの曲、いいですよね。ジャニーズのなかではいちばんタイプな感じの曲が多いです。日替わり曲はあるんでしょうね。個人的には前のアルバムの「OUR STORY」が好きなので聴きたい。やってくれるとうれしいです。

もうほんとに今から楽しみで。

三塁側のあたりに、冴えない感じの男二人組がペンライトを振っているのを見かけたら、そのどちらかが私だと思ってください。
Posted by もりた at 2009年05月18日 13:29
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