ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年04月17日
 民間人参加型の死刑制度をサヴァイヴァル・ゲーム化していってフーダニットのサイコ・ミステリを繰り広げるという、今どきの売れ線要素を満載しながらも、結局、門尾勇治の『真犯人!!』が、最後の最後まで、あまりぱっとしない、あとちょっと、もう一歩のところでおもしろくなれなかったのは、ひじょうに残念であった。誰がいったい何のため、冴村亮の妻を殺害し、その容疑を彼に負わせねばならなかったのか、この3巻で、すべての真相が明かされ、物語の幕は閉じられる。作品の性質上、ネタを割ってしまうわけにはいかないけれども、ようやく知れた真犯人の正体には、なかなかの意外性があったと思う。しかしそれが十分に生かされるだけの基準を、筋書き、話の運び、マンガの総体的なつくりは満たしていなかった。また、猟奇的な事件の原理を、生まれや育ちのせいで社会から脱落してしまった人間の狂気へと収束させてゆくのだが、その、いうなれば今日的な犯罪の意識に関しても、こうした内容の作品であるなら、もっとずっと、深く突き詰め、考えられるべきであった。罪と罰でもいいし、善と悪でもいい、テーマのレベルに徹底されたものがないので、現実の重たさに表現が負けているふうに見えてしまうのである。

 2巻について→こちら
 1巻について→こちら

 『欺瞞遊戯』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(09年)
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