ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年04月03日
 Animal

 さあきた、おい、これがロックン・ロールの力瘤なんだ。ガッツ漲るとは正しくこのことかよ。フィンランドの3ピース、SWEATMASTERの、フル・アルバムとしては(おそらく)3作目にあたる『ANIMAL』は、07年の時点でリリースされていたらしいのだが、じつは最近になって、ようやく聴いた。しかしまあ、消費期限が決して尽きることのないストロング・スタイルのロックン・ロールは、相変わらず、流行の傾向に伺いを立てることとはまったく無縁で、そのインパクトが目減りするということもなく、ひらすらかっこういい。ハイ・パワーであることを一義に貫くサウンドはまちがいなく、かっこうよさは時代に左右されてしまうので、式の物怖じよりも、いや時代に左右されないかっこうよさは必ずやある、的な断言を選んでいる。ギター、ドラム、ベースのシンプルな構成が、極力それ以上のギミックを必要としない、にもかかわらず音はぶっとく、はげしく、うねり、ずしんずしんと大々的に響いてゆくさまは、じつに痛快である。ベースのラインを中心にして練り上げられるグルーヴの質は、ファンキーと喩えるのが相応しく、ダイナミックに跳ねたドラム、するどく切り込んでくるギターのリフが、とても魅力的な抑揚をつくる。もちろん、ベースのプレイを兼ねるヴォーカルの、その、ソウルフルと呼んで偽りのない歌い回しも、じつに見事に決まっていて、力強く発声されたメロディが、ただ盛っているんじゃない、豊かな表情を描いていることに引きつけられる。たとえばそのことは、メロウなミドル・テンポのアンサンブルを、せつなさに堪えきれないテンションで盛り上げる5曲目、「CUT UP IN HALF」に顕著であるし、いやまた全体を通じ、すぐれたフックの役割を果たす。そしてリズムだ。3曲目の「DEAD LEGS」や6曲目の「I HAVE YOUR EYES」、10曲目の「BLISTER」等々、ガレージィな勢いにあふれ、疾走感のすばらしいナンバーも多いけれど、パンキッシュである以上にファンキッシュであることが基調となっているため、ひじょうに厚みがあってタイトな、それでいて緩急の自在なビートを聴かせる。タイトル・トラックの2曲目、「ANIMAL」なんか、あきらかに「アニモーアニモー」ってキャッチーなフレーズのワン・アイディアから出発しているが、リズムの巧みなアクセントがそれを単調なパターンに陥らせず、自然に心と体が踊るようなリフレインに変えている。間のとり方がよい。絶妙である。それは8曲目の「CALLING SATAN, LET ME IN」にもいえて、「コーリンセイタン・レッミーインナウ・レッミーカムイン」のコーラスが、力み、たくわえられたタイミングを吐き出すのを見計らい、バックの演奏は、はじける剣幕のロックン・ロールを展開する。そこがクライマックスだぞ、というぐらいにかっこういい。ガッツ滾っている。漲ってくる。漲っている。

 『TOM TOM BULLET』について→こちら 

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(09年)
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